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NICT、計算量1/100以下で、超高速コヒーレント信号受信に成功
March 30, 2010, 東京/サンディエゴ--情報通信研究機構(NICT)は、必要最小限の受信信号から光位相を推定する技術を開発し、これにより12.5Gbaud光信号の送受信実験に成功した。この成果は、現在大容量伝送の切り札として注目を集めている光コヒーレント通信を低消費電力で実現する技術。
光通信では、光の波動としての3つの要素である強度、タイミング(位相)、色(波長又は周波数)のいずれかを高速に変化させることで、“0”,“1”のデジタル信号(ビット)を伝える。光コヒーレント通信は送信側と受信側で位相を正確に合わせ、3つの要素を駆使し、一度の変化で複数ビットを伝えることを可能とする。コヒーレント通信は、電波を使った無線通信ではすでに広く使われている方法だが、光の振動の速さは、電波のそれと比べて 10,000倍以上であるために、位相の制御が困難だった。これに対して、最近、高速デジタル信号処理で位相のずれを計算で推定し、補正するという方法 (デジタルコヒーレント)が注目を集めているが、この方法では位相の推定・補正の他にも様々な機能が実現できる反面、高い信号処理能力が必要となる。これまでは疑似的に計算機上で信号処理を行う研究報告がほとんどで、リアルタイム処理は困難だった。また、高い信号処理能力と低消費電力化の両立も大きな課題となっていた。
今回NICTは、通常のデジタルコヒーレント信号処理と比べて、大幅に少ない計算量で送信側と受信側の位相のずれを補正する手法を開発し、12.5Gbaud位相変調信号のリアルタイムコヒーレント信号受信に成功した。この手法では、光信号の一部をサンプルするのみで位相を補正できるため、安価な汎用信号処理チップで所要計算量従来比1/100以下の大幅な消費電力低減を期待できる。また、これまで信号処理能力の限界で困難であった変調速度を向上でき、100Gbpsを超える超高速伝送を身近にする技術として期待できる。光ディスクに収められたハイビジョン動画を現在の家庭向け光ファイバ通信(100Mbps)で転送すると60分以上かかりますが、100Gbpsではわずか4秒以下で送ることができるようになる。
光通信では、光の波動としての3つの要素である強度、タイミング(位相)、色(波長又は周波数)のいずれかを高速に変化させることで、“0”,“1”のデジタル信号(ビット)を伝える。光コヒーレント通信は送信側と受信側で位相を正確に合わせ、3つの要素を駆使し、一度の変化で複数ビットを伝えることを可能とする。コヒーレント通信は、電波を使った無線通信ではすでに広く使われている方法だが、光の振動の速さは、電波のそれと比べて 10,000倍以上であるために、位相の制御が困難だった。これに対して、最近、高速デジタル信号処理で位相のずれを計算で推定し、補正するという方法 (デジタルコヒーレント)が注目を集めているが、この方法では位相の推定・補正の他にも様々な機能が実現できる反面、高い信号処理能力が必要となる。これまでは疑似的に計算機上で信号処理を行う研究報告がほとんどで、リアルタイム処理は困難だった。また、高い信号処理能力と低消費電力化の両立も大きな課題となっていた。
今回NICTは、通常のデジタルコヒーレント信号処理と比べて、大幅に少ない計算量で送信側と受信側の位相のずれを補正する手法を開発し、12.5Gbaud位相変調信号のリアルタイムコヒーレント信号受信に成功した。この手法では、光信号の一部をサンプルするのみで位相を補正できるため、安価な汎用信号処理チップで所要計算量従来比1/100以下の大幅な消費電力低減を期待できる。また、これまで信号処理能力の限界で困難であった変調速度を向上でき、100Gbpsを超える超高速伝送を身近にする技術として期待できる。光ディスクに収められたハイビジョン動画を現在の家庭向け光ファイバ通信(100Mbps)で転送すると60分以上かかりますが、100Gbpsではわずか4秒以下で送ることができるようになる。