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超広帯域光伝送システムの動作実証に成功

March 2, 2010, 東京--情報通信研究機構(NICT)と青山学院大学は共同で、従来利用されていなかった新波長帯の光伝送システムの動作実証に成功した。
現在、光通信に利用されている波長帯域の信号と、利用されていない波長帯域の信号を同時に1本の光ファイバで伝える光伝送システムを構築し、世界最長級の光伝送距離で動作を実証した。この技術は、光通信の周波数帯域の拡大に貢献し、大容量で自由度の高い光通信ネットワーク構築や、新波長帯域用の光ICTデバイス分野の新市場が期待される。
光ネットワークを活用した多くのサービスでは、将来に向けてさらに多様化・高度化が期待されている。また長距離通信が主であった光ネットワークを、より短距離でも活用する試みも始まっている。このような多くのサービス需要を支えるためのインフラ整備として、光ネットワークの大容量化が重要な課題となっている。現在の光ファイバ通信では光信号の減衰や歪みの少ない特定の波長帯域のみが主に利用されており、更なる大容量通信を実現するためには、これまで利用されていなかった新しい波長帯域を開拓する必要がある。
これまでにNICTと青山学院大学は、光通信に利用可能な光周波数帯域の資源拡大を目的として、量子ドット光デバイスや微細構造光ファイバなどの先進的光ICTデバイス、それらを組み合わせた光伝送システム構築と高度化に関する研究を世界に先駆け実施してきた。
今回、従来使用されていた波長帯域のCバンド、Lバンドに加え、新波長帯域のTバンド(波長1μm帯)を、同時に光通信ネットワークに利用するため、T、C及びLバンドを含む広帯域光信号が伝送できるように最適化された光ICTデバイスを開発し、それらと低損失広帯域微細構造光ファイバを用いた超広帯域光伝送システムを構築した。
同システムを用いた光伝送実験では、超広帯域光伝送として過去の実証例としては世界最長級となる5kmを超える距離で、データ劣化のない伝送が成功した。

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