All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

三菱電機、多結晶シリコン太陽電池セルで世界最高の光電気変換効率

February 17, 2010, 東京--三菱電機は、実用的な15cm角の多結晶シリコン太陽電池セルにおいて、同社が昨年達成した世界最高の光電気変換効率19.1%を0.2ポイント上回る19.3%を達成し、世界最高効率を3年連続で更新した。また、この技術を厚さ100μm、15cm角の超薄型多結晶シリコン太陽電池セルに適用し、この厚さと大きさのセルで世界最高効率となる18.1%の光電気変換効率を達成した。
 三菱はこれまでに、太陽電池セル表面の反射率を下げて太陽光の利用効率を高めるハニカムテクスチャー構造と、セルを透過する赤外線をセル裏面で反射させて有効利用する裏面反射構造により、厚さ200μmの標準的な厚さの太陽電池セルで世界最高の光電気変換効率19.1%を実現したほか、厚さ100μmの超薄型太陽電池セルでも世界一の光電気変換効率を実現してきた。セル内の電力損失低減により、一層の光電気変換効率の向上が可能になる。主な開発成果は、以下の通り。
1.実用的な15cm角、厚さ200μmの多結晶シリコン太陽電池セルで光電気変換効率19.3%を達成: 発電した電力の一部は、電極とシリコンウエハー間の接続抵抗で熱となって失われるため、電力を効率よく外部に取り出すためには、電極部分の電気抵抗を低減することが重要。今回、電極形成前のシリコンウエハーに清浄化処理を施して電気的接触状態を改善することで、接続抵抗を従来比で4%低減した。すでに開発済みのハニカムテクスチャー構造と裏面反射構造を今回のセルにも適用している。その結果、実用的な15cm角、厚さ200μmの多結晶シリコン太陽電池セルで、従来比0.2ポイント向上となる世界最高の光電気変換効率19.3%を達成。光電気変換効率が19.1%から0.2ポイント向上すると、セル1枚当たりの出力が4.16Wから4.20Wへ約1%向上する。
2.15cm角、厚さ100μmの超薄型多結晶シリコン太陽電池セルで光電気変換効率18.1%を達成: 上記のシリコンウエハー清浄化処理、ハニカムテクスチャー構造、裏面反射構造など、これまで当社が開発してきた多結晶シリコン用の高効率化技術を15cm 角、厚さ100μmの超薄型多結晶シリコンセルに適用し、従来比0.7ポイント向上となる18.1%の光電気変換効率を達成した。15cm角の多結晶シリコンの超薄型太陽電池では世界最高の光電気変換効率。
 今後の展開について三菱電機は、「今回開発した高効率化技術を量産技術に応用し、当社太陽電池モジュールのセル量産に順次導入していく。さらに、高い電力変換効率のパワーコンディショナと組み合わせることにより、太陽光発電システムの高出力化を図る」としている。
 なお、パワーコンディショナについては、三菱は「太陽光発電システムの出力最大化技術」を開発した発表しており、「太陽電池アレイの発電特性を連続して自動計測し、計測された発電特性の最大電力出力点で太陽電池アレイを動作させる新しいMPPT制御を開発。これにより、太陽電池アレイの一部に日陰や汚れが生じた場合でも、太陽電池アレイから出力可能な最大電力を取り出すことができる」としている。
(詳細は、www.mitsubishielectric.co.jp)

製品一覧へ

関連記事

powered by weblio





辞書サイトweblioでLaser Focus World JAPANの記事の用語が検索できます。

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.