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グリーンに徹するか否か、環境投資のリターンを量り始めた技術系企業

February 2, 2010, ロンドン--経済減速によって企業は環境項目(green agenda)の優先度を下げたと言われているが、Frost & Sullivanの調査によると、ICT分野の企業は実際には環境活動への関心を強めている。目的はコスト削減、差別化の強化、ブランド信仰の強化。しかし、予算や株主の期待が厳しくなっているので、そうした動きは明白なROIを実証する必要がある。
 Frost & Sullivanの「通信の持続可能性:環境投資に対する利益率」は、長期にわたり適切に、持続可能な方法で事業を行う企業を選択して調査したものだ。2008年の調査では、複数の投資家を取り上げ、ヨーロッパの大手通信サービスプロバイダ8社の事例研究を行い、主要ベンダの活動を調べた。この調査で、成功事例を明らかにし、環境投資に対する利益率を議論した。
 この調査の最初のセクションでは、持続可能性分野での各社の際だった取り組みをベースにして、あるサービスプロバイダ(BT、FT、テレフォニカ、スイスコム)とベンダ(Alcatel-Lucent、IBM、NSN、エリクソン、フアウエイ)取り上げたが、次のセクションでは環境投資の正否を議論し、商売優先と環境優先との対立する問題について考察している。
 調査に参加した企業のほとんどは独自のフレームワーク構築を始めており、様々な業界団体の認定を得ようとさえしている。残念ながら、インタビューした企業のいずれも、使用した評価モデルの共有については意欲的ではなかった。
 「IBMは、環境投資の評価では最も先行しているようだが、BTは2012年のオリンピックまで一連のソリューションを走らせてみてROIモデルを最終決定する」とFrost & Sullivanの主席アナリスト、Sharifah Amirah氏はコメントしている。「もっと長期スパンでは、TBL勘定(triple bottom-line accounting approach)と同様に、社会・環境投資が企業の財務報告/監査報告の特徴になる。」
 しかし、最先端の環境戦略を掲げる企業でさえ、グリーン投資に対する評価モデルの作成に取りかかり始めた段階にある。この背景には、評価基準の欠如、実体の見えない利益を評価することの難しさがある。環境投資は、マーケティングか、もしくは企業の社会的責任のいずれかと捉えられる傾向がある。
 さらに、環境投資に対する精密な調査の示すところでは、企業はプラスのリターンを実証する活動に投資すれば足りるというものでもない。しかし、企業レベルでは、関わり方をより積極的にし、具体的な行動をすることが求められている。こうした投資を正当に評価する必要性が高まっていると考えるなら、正式な評価基準を定め、標準化し、採用することも必要となる。
 Amirah氏は、ICT分野の環境投資額は、今後2〜3年で少なくとも倍増となると見ている。「2009年のコペンハーゲンサミットでは具体的なフレームワークはなかったが、個々の政府、株主および消費者の圧力が引き続き、より持続可能性が高い企業活動をするように企業を駆り立てる」とコメントしている。
 Frost & Sullivanが2008年末に行った調査によると、業界首脳約600人が、2009-2010年で自社の環境投資が67%増えると見ていた。大部分の人は、環境投資を倫理的な義務と言うだけでなく、成長にとって不可欠であると見なしていた。

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