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日立、小型の頭部近赤外分光計測装置を開発
November 26, 2009, 東京--日立製作所(日立)は、脳の前頭葉部分の血流変化を簡単に計測する小型の頭部近赤外分光計測装置を開発し、大学などの研究機関向けに販売を開始した。
製品はヘッドセットが約100g、信号処理ボックスと専用PCを合わせた装置全体でも約2kgと小型・軽量。家庭やオフィス、屋外などさまざまな状況で脳内の血流変化を簡単に計測できることから、脳科学をはじめ認知学、心理学、教育など幅広い分野での活用が期待される。ただし、医療用ではないため、診断目的で使えない。
近年、脳科学だけではなく、認知学や心理学、教育などさまざまな分野で脳内の血流変化を計測し、その結果を活用する動きが広まっている。また、それに伴い、被験者の計測環境に制約を与えることなく、より日常に近い状況の中で、脳内の血流変化を計測できる装置が望まれている。このような背景から、日立は、脳の前頭葉部分の左右2点の計測に特化した小型の頭部近赤外分光計測装置を開発した。
製品は、ヘッドセット、信号処理ボックス、信号処理ソフトウェアをインストールした専用PCの3部分から構成されている。ヘッドセットは、搭載された近赤外受光センサーにより、前頭葉部分の左右2点の血流変化を計測する。ヘッドセットは約100gと小型・軽量で、耳掛け部分(テンプル)を折りたたむことができるなど、持ち運びも容易。頭部への取り付けは最短で約10秒で完了し、取り付け後1分以内に計測開始が可能。ヘッドセットから得られた信号を処理する信号処理ボックスは、専用PCからUSB経由で電源が供給されるため専用の ACアダプタが不要で、約1.1kgという軽さ。計測の制御およびデータの表示・解析を行う専用PCは、信号処理ソフトウェアにより、PCの起動後3 クリックで計測を開始できる。また、リアルタイムな脳内の血流変化の計測とともに、脈拍数、体動などのモニタリングも可能。取り付けや操作が簡単で、総重量も約2kgと持ち運びが容易なことから、研究施設をはじめ家庭やオフィス、屋外、移動中の乗り物の中などさまざまな状況で脳内の血流変化を簡単に計測することが可能。
(詳細は、www.hitachi.co.jp)