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超広帯域映像on-demand通信利用技術の広域実験に成功

November 13, 2009, 東京--日本電信電話(NTT)は、ギガビットクラスの超広帯域映像通信をオンデマンドに利用できる技術を世界に先駆けて研究開発した。
また、NTTと情報通信研究機構(NICT)は共同で、1.5Gbit/sの超広帯域映像通信を用いた同技術の広域実験に成功した。同研究開発の成果により、利用者はHDTV品質の高精細映像の伝送などでネットワークを利用する際に、これまでのようにネットワーク資源の確保や経路の切り替えの事前調整を行うことなく、好きなときに自由に経路を確保し安定した通信を行うことが可能となる。
 実験は、NTTの研究開発用テストベッドネットワーク「GEMnet2」及びNICTの「JGN2plus 」を用いて広域実験網を構築して実施した。さらに、2009年11月14日から米国ポートランドで開催されるSC09 では、展示会場と国際回線を用いて接続し、日米間で公開実験を実施する予定。
 NTT研究所は、これまでに、映像ストリームをIPネットワーク上に伝送することができる非圧縮映像伝送技術i-Vistoを開発してきたが、非圧縮映像はギガビットを超える帯域を必要とするため、事前に広帯域回線の経路やネットワーク資源の確保の調整が必要であり、即時利用は困難だった。
 また、超広帯域映像通信を安定的に行うには、映像パケットの伝送の振る舞いを多地点で高精度に観測し、品質劣化を防ぐ対策を施すことが必要となるが、従来は高価な専用機器が必要になるため、多地点に専用機器を配置して観測することが困難だった。  
 光ネットワーク技術を取り入れた高速IPネットワーク(光IPネットワーク)において、ギガビットを超える超広帯域映像通信の迅速かつ安定的な伝送を実現するための基盤技術を開発。これは、利用者の映像通信要求に応じて光IPネットワーク内の経路を自動的に確保し、オンデマンドに大容量回線を開設することを可能とする技術と、映像通信の安定的な制御を行うためにネットワーク内での映像劣化の原因となる映像パケットの振る舞いの微細な変化を観測する機器を低価格なPCで実現し、多地点で観測する技術で構成される。
 さらに、この成果を実証するため、広域実験網を構築し、非圧縮HDTV映像の伝送実験に成功した。今回の成功は、超広帯域映像通信の普及に向けた前進を示す成果と言える。  
 今後NTTは、「開発成果の普及に向け、放送業界等のハイエンドユーザの利用を目指し、ネットワークとアプリケーションの更なる協調による適応制御などの機能拡充を図る予定。将来的には遠隔医療・教育等、高精細映像の利用価値が高いシーンへの展開を目指す」としている。

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