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PTBが世界で初めて商用 テラヘルツレーザをキャリブレート

November 9, 2009,ベルリン--テラヘルツ波は度量衡学的にはまだ曖昧な領域、度量衡学的隙間にとどまっている。ドイツの連邦物理・工学研究所(PTB)は、この隙間を埋めることができるようになった。
 商用テラヘルツレーザが、出力パワーを絶対的に計測することで初めて国際単位(SI)に遡ることができた。PTBは、予め低温放射計、電磁放射パワー計測用のドイツの原器でキャリブレート(調整)したパワーメータを用いてこれを成功させた。したがって、米国のコヒレント(Coherent Inc)が製造したレーザ、SIFIR-50は、PTBの新しいキャリブレーション機能によって出力の信頼性が保証された初めてのTHzレーザとなる。
 初めての計測で2.5THzで動作していたコヒレントのSIRIR-50レーザは、THz波のパワーをSI単位で決めたり、THzディテクタをキャリブレートしたりするための新しい施設の中核的な機器となる。同レーザは、周波数安定化されたチューナブル50W CO2レーザで励起される遠赤外分子ガスレーザ。PTBベルリンのDr. Andreas Steigerは、「このシステム独自の特徴は、CO2レーザの動作周波数制御にファブリペロ(FP)ロックを用いている点だ。これにより、このレーザはガス分子の振動遷移の励起に適している」と説明している。熱補償共振器と光学系設計とを組み合わせることで、SIFIR-50は、1THzから7THzの可変範囲で、安定したTHz波を生成できる。この幅広い可変範囲は、可視光全体よりも大きく、多くの様々なガスで多様な個別THzラインを含んでいる。シュタイガー氏は、「このレーザのパフォーマンスとビーム品質により、PTBは近々、超高周波エレクトロニクスと遠赤外オプティクスとの間の度量衡学的ギャップを埋めるために大きな一歩を踏み出すことができる」とコメントしている。

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