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DVD改善への道を示唆するシャコの視覚メカニズム

October 29, 2009, ブリストル--ブリストル大学がネイチャーフォトニクスに発表した新しい研究によると、海中甲殻類のすばらしい目が次世代のDVDやCDプレイヤーを閃かせる。
 オーストラリアのグレートバリアリーフで発見したシャコは、科学的に言って最も複雑な視覚システムを持っている。シャコは12色を認識でき(人間はわずか3色だ)、異なる偏光を区別することができる。
 シャコの特別な感光性細胞はλ/4波長板(透過光の偏光面を回転させる機能素子)のように働く。この能力によりシャコは、直線偏光を円偏向に、またその逆に変えることができる。人工のλ/4波長板はCDやDVDプレイヤーやカメラの円偏光フィルタでこの重要な機能を果たしている。
 しかし、これらの人工のデバイスは光の一色(1波長)に対してのみよく機能する傾向があるが、シャコの目の自然的メカニズムは、近紫外から近赤外までの全可視光に渡りほぼ完璧に機能する。
 論文を執筆したDr Nicholas Robertsは、「われわれは、シャコの目のλ/4波長板の独自デザインとメカニズムを初めて明らかにした。これは人がこれまで成しえた何ものをも超えたパフォーマンスを持っている」と語っている。
 シャコが、円偏光に対してこのような鋭敏な感度を必要とする理由は明らかになっていない。しかし、動物は他の動物、時に捕食動物の注目を避けるために偏光視覚を性的シグナルあるいは秘密の通信に使用する。また、水中での視覚を改善して獲物を見つけたり捕らえたりしやすくすることにも使用できる。シャコのこのメカニズムが進化の賜であるなら、それは視覚細胞の現在の特性をわずかに変えることで得られることになる。
 「将来、われわれは、液晶を使って選りすぐれた光デバイスを作ることができるだろう、シャコの視覚細胞の特性を真似るために化学的に液晶に手を加えればできることだ」と同氏は語っている。
(詳細はA biological quarter-wave retarder with excellent achromaticity in the visible wavelength region by NW Roberts, T-H Chiou, NJ Marshall and TW CroninNature Photonics)

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