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NEC、省電力動作シリコンフォトニクス小型波長可変光源を開発
September 28, 2009, 東京--NECは、世界で初めて、光集積回路技術シリコンフォトニクスを適用した、小型で省電力動作が可能な波長可変光源の開発に成功した。
開発した小型波長可変光源は超小型リング光共振器を2つ設けたシリコンベースの波長可変共振器と、光の増幅を行う化合物半導体光増幅器を1つの素子に集積した構成。波長可変共振器では、シリコンフォトニクス技術を用いた光回路を作成することで、従来の石英材料比約30分の1の大きさと、約10分の1の消費電力を実現した。また、WDMの光通信波長帯を全てカバーしている。
特長は以下の通り。
1. シリコンフォトニクス技術を用い、波長可変共振器の小型化、省電力化を実現:波長を変えるための2重リング型共振器において、従来の石英を用いた光導波路に比べて約1/100の急峻な曲げが可能なシリコン細線型光導波路を開発。この光導波路を採用することで、リング共振器の超小型化(従来石英リング比約1000分の1)を実現し、それを搭載した小型の波長可変共振器を開発(従来比約 30分の1)。
また、シリコン材料は、石英材料に比べて大きな熱光学効果を有しており、小さな温度変化でも大きな屈折率変化を得ることが可能。この性質を利用して出力光の波長を変化させるために必要なマイクロヒータの加熱電力を約10分の1に低減し、省電力化を実現。
2. シリコン細線導波路と化合物半導体光増幅素子の光接続を低反射・低損失で実現:シリコンフォトニクス技術を用いて、化合物半導体光増幅素子とシリコン光回路を結合するスポットサイズ変換導波路を開発。この導波路は、先を細く加工したシリコン細線光回路に窒酸化シリコン導波路を被せた複合コア形状で、これを化合物半導体光増幅素子とシリコン光回路の間に挿入し結合。これにより、通常は光損失が大きい両者の結合を、低反射・低損失で実現。
開発した小型波長可変光源をWDMで利用することでダイナミックな波長切り替えを小型・省電力で実現し、XFPなどの光通信用小型トランシーバの波長可変化、トランスポンダーの高機能化に重要な役割を果たす。また、光ネットワークシステム全体の設計自由度を向上させ、通信サービスの高度化と高信頼化、および低コスト化を目指す。