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理研の新スーパーコンピュータ「RICC」が稼動

August 13, 2009, 和光--理化学研究所は、汎用のコンピュータを並列につないだPCクラスタをスーパーコンピュータとして利用する、革新的なシステム「RSCC(RIKENSuper Combined Cluster)」を発展させた、新たなスーパーコンピュータ・システム「RICC(RIKEN IntegratedCluster of Clusters)」を開発した。
RICCは、RSCCのPCクラスタを増強し、RSCCに比べ演算性能を8.5倍に向上しました。LINPACKベンチマークテストによる性能測定では、PCクラスタのシステムとしてわが国最高の97.94TFLOPS、実行性能92.36%を達成した。RICCは、8月11日16時から和光研究所内の情報基盤センターで、所内外の関係者に対して新システムを公開した後、課題申請を受け付け、10月1日より運用を開始する。
RICCは、物理学、化学、工学、生物学、医科学といった理研の幅広い分野の研究者からのニーズすべてに応えていくことを目標として設計。機能の異なる4つの計算機(超並列PCクラスタ、多目的PCクラスタ、MDGRAPE-3、大容量メモリ計算機)をInfiniBand/10GbEで接続し、それらを1つの計算機であるかのように簡単に利用できる環境となっている。
2012年に完成予定の次世代スーパーコンピュータに高並列環境で性能を発揮させるためのアプリケーション・プログラムの開発もRICC上で行う。そのため、数千並列規模のジョブを常時投入することが可能。このような運用は国内でほかに例がなく、独自に開発した高機能スケジューラにより実現する。
RICCは、アプリケーション・プログラムで爆発的に高い性能を引き出すことが可能なGPUアクセラレータと、理研が開発したMDGRAPE-3を搭載。特にGPUアクセラレータでは、利用者がいち早く研究に利用できるようグラフィカルなインターフェイスの操作でプログラムが作成できるビジュアルプログラミング技術を用いたプログラム開発環境を整備し、提供する。これまでは、アクセラレータごとにプログラミング知識が必要なため、利用者が制限されていましたが、GPUアクセラレータにより、アクセラレータの利用を拡大すると期待される。また、研究活動の中で利用者がスーパーコンピュータをあらゆる場面で利用できるようWebポータルや携帯電話インターフェイス、Webサービス用インターフェイスを提供する。
新システムRICCは、日本で最良のコンピュータ利用環境を研究者に提供するとともに、次世代スーパーコンピュータに向けたアプリケーション開発環境を整備する。さらに、GPUアクセラレータを導入し、その利用を促進することを目指している。
RICC最大のシステムは、8000コアを超える並列ジョブを随時投入可能な超並列PCクラスタで、96TFLOPSの理論性能を有している。100ノードの多目的PCクラスタには、それぞれGPUアクセラレータを搭載。また、理研が開発したMDGRAPE-3クラスタと、単一プロセスで500GBの大容量メモリが使用できる共有メモリ型計算機を採用。ストレージシステムとして550TB(テラバイト)のオンライン・ストレージと、4PBのテープアーカイブを装備している。
RICCの導入により、理研の研究者にとって十分な計算資源と、多様な計算手法に合ったハードウエアを提供することができるようになる。また、実験装置の進化に伴い増大する実験データの処理にも対応できる。
(参照:http://jp.fujitsu.comおよびhttp://www.top500.org)

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