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コーニングとSoitec、OLEDディスプレイ開発で提携
August 6, 2009, ニューヨーク--コーニング(Corning Incorporated)とSoitec Group(Euronext Paris)は、フラットパネルモバイルディスプレイ市場に向けたハイパフォーマンスシリコン・オン・グラス(SiOG)基板の開発で提携すると発表した。
両社は有機LED(OLED)向けに最高パフォーマンスのバックプレーン基板開発に注力する。モバイルOLED技術の高品質で経済性の高いディスプレイを実現するための課題、バックプレーンにおける電子の移動性と均一性、トータルコストの一層の抑制などもこの共同開発で取り組むことになっている。
SoitecはSOI(silicon-on-insulator)とシリコン薄膜転写技術の市場リーダー。コーニングのNew Business Developmentディレクタ/シニアVP、Dr. Mark A. Newhouseは、この共同開発により、SiOG基板の市場投入が早まると見ている。
また、Soitecの社長、AndRÉ-Jacques Auberton-Hervé氏は、両社の共同開発を自然な展開とした上で、「われわれは、ローコスト、ハイパフォーマンスの基板をモバイルフラットパネル市場向けに実現していく」とコメントしている。
現在開発中のコーニングのシリコン・オン・グラス技術は、薄い単結晶シリコンフィルムで、コーニングディスプレイガラスに適用される。この開発により、優れた電子の移動性と材料的均一性を備えた人工的な基板の実現が期待されている。このような基板であれば、ディスプレイメーカーにとっては基板上への電子回路の作製が容易になる。この技術の最初のアプリケーションは、中小サイズのモバイルディスプレイ機器となる見込みだ。
Soitecの独自技術Smart Cutを利用して、ウエハ基板材料(Siなど)超薄単結晶層を他の面に移すことができる。実証済みのこの技術を用いて半導体産業では、90%以上のSOIウエハが製造されている。Soitecのこの技術は、新市場に向けたSiOG技術開発を促進する重要技術ともなる。