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KDDI研究所、世界最高周波数利用効率の高速光伝送実験に成功

July 28, 2009, ふじみ野--KDDI 研究所は、高速光通信における周波数利用効率を著しく向上する技術を開発し、周波数利用効率7.0bps/Hz という、これまでの記録を約30%更新する伝送実験に成功した。
周波数帯域は通信システムにとっての大切な資源であり、この帯域を効率的に利用することが大容量の情報を伝送するための重要課題であるが、現在の商用光通信システムの周波数利用効率は0.8bps/Hz 以下に制限されている。今後予想されるデータトラヒックの一層の増加に対応するためには、周波数利用効率の向上が不可欠であるため、その実現技術の検討が盛んに進められている。これまで、KDDI 研究所では無線通信システムで広く用いられている直交周波数分割多重(OFDM)方式 を高速光通信システムへ適用することにより、周波数利用効率を5.6bps/Hz まで向上できることを示してきた。
KDDI研究所は、周波数利用効率のさらなる向上をはかるために、より効率的なOFDM 信号の発生技術を開発した。OFDM 方式では、周波数がわずかに異なる多数の基本波について、その振幅と位相の組み合わせの状態(信号状態)を変化させることによりデータを伝送する。今回開発した方式では、信号状態の種類を16 通りから32 通りに増やすことにより、一定の周波数帯域で伝送できる情報量を約30%増加させた。データ伝送に用いる信号状態の種類を増加させた場合、各状態間の差異が小さくなるため、データ伝送の際に誤りが発生しやすくなる。このようなエラーの発生を避けるため、光領域で直接OFDM 信号を合成する方法と、これまでに開発したパイロット信号を用いた雑音補償方式を採用。これらにより信号速度が56Gbps の光信号を8GHz 間隔で波長多重することが可能となり、8chsの信号を波長多重して240km 伝送することに成功した。この実験で達成した周波数効率は7.0bps/Hz、高速光通信における従来の記録を約30%更新した。
この成果は、Optical Fiber Communication Conference /National Fiber Optic Engineers Conference(OFC/NFOEC 2009)PDPで3 月26 日に発表した(1)。

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参考文献
(1) Hidenori Takahashi et al., PDPB7, OFC/NFOEC2009

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