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マイクロペルト社、高効率マイクロクーラー技術を発表
July 23, 2009, フライブルク--ドイツのマイクロペルト(Micropelt GmbH)は、新世代の高効率熱電冷却子(TEC)、MPC-D40xシリーズを発表した。
同社は、微細構造技術によって1mm2で30Ωを超える電気抵抗を持つTECsを実現することができる。そのTECは、制御システムと組み合わせることで、90%以上の効率で動作させることができる。この新しいアプローチは、システムコストや消費エネルギーを理由に冷却の使用を控えているものも含めて、小型TECsを使用するアプリケーションのシステムアーキテクチャに影響を及ぼすものと見られている。アプリケーションとしては、ローパワーのレーザダイオードやその他、通信、フォトニクス、オプトエレクトロニクス、センサ市場のアクティブおよびパッシブデバイスが含まれる。
マイクロペルトのMPC-D403/404TECsは、半導体製造プロセスを用いて製造されており、同社は世界最小のマイクロクーラーを生産することができる。45μmサイズには、mm平方あたり50個の熱電対を収容することができ、これはバルクのペルチェ技術の約10倍に相当する。同社CTO、Joachim Nurnus氏によると、同社の微細構造技術はアプリケーションに特化したサイズ、電気的要求、熱特性に応じてスケールできる。「当社は、バルクTECsとして知られている同様の製品に比べて駆動電流を10倍小さくできる。そうしたTECの熱電対の創り出す電気抵抗は1Ωよりも遙かに低く、駆動電流は優に1Aを超える。」
MPC-D40xシリーズは、ローパワー端面発光レーザやVCSELの熱マネージメントで必要とされる600mW以上を200mAの駆動電流で実現できる。低駆動電流とすることで、TECのエネルギー効率は向上。同時に、制御回路の設計も簡素化され、部品点数の削減、回路ボードサイズの削減にもなる。
マイクロペルトの販売/マーケティング担当VP、Wladimir Punt氏は「誰もがトランシーバモジュールを、より小さく、よりエネルギー効率を高めたいと考えている」として、次のように話している。「われわれは熱電システムを分析し、小型のTECsにとっては駆動電流が一般に消費電力や放熱の問題を解決するためのキーになると結論づけた。駆動電流を90%削減すると全般的な冷却システムの効率は50%改善される。これは、駆動電圧のレベルが、バックレギュレータの効率がよくなるレベルにとどまるからだ。フォトニックパッケージングやシステムデザイナーは、これによってエネルギー消費や発熱が少ないコンポーネントを開発することができ、パッケージサイズも小さくなる。」
マイクロペルトのウエハベース製造技術によって、TECの量産に規模の経済を持ち込むことができる。このTEC制御システムは、標準的な、安価で、すぐ使える超小型のTEC制御回路コンポーネントから利益を得るだけではない。全般的なエネルギー効率は、消費電力を大幅に削減し、実装密度の高いラインカードの放熱削減にも大いに貢献する。
(詳細は、www.micropelt.com)