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日立、マルチベンダ間での100GbE相互接続実験に成功
July 16, 2009, 東京--日立製作所(日立)は、次世代高速光通信規格である100ギガビットEthernet(100GE)のフレーム伝送システムの試作に成功した。
日立は、イクシア(Ixia)が開発した40GE/100GE対応の負荷試験モジュール「K2」(イクシア K2)との相互接続実験により、フレーム伝送による100Gbpsの通信性能を実証した。光信号の100Gbps送受信の確認は今までにできていたが、今回、Ethernetの規格に則ったデータ形式であるフレームレベルでの100GE相互接続を実証できたことは、100GEの実用化に向けた前進を示す成果といえる。
日立は、複数の通信路(レーン)を束ねて信号を伝送することにより、大容量伝送を実現する最新の標準IEEE802.3baに準拠したマルチレーン分配(MLD:Multi-lane Distribution)方式をフレーム伝送に採用した100GEシステムの試作に成功した。今回、マルチレーンを構成する光ファイバ間の伝送特性の差により、同時に送信したデータが遅延時間差(スキュー)をもって到達するのに対して、受信側でスキューを補正してデータを正しく再生する回路を新たに開発。これにより、 1本あたりの伝送容量が10Gbpsである光ファイバを10本束ねたマルチレーンを用いて、100Gbpsの高速通信を実現した。
100GE向け検証装置イクシアK2と、日立の100GE試作システムによる相互接続実験を行い、フレーム伝送による 100Gbpsの通信性能を確認した。これまで、100GEのマルチベンダ間の相互接続では、光信号の送受信の確認が行われてきたが、今回のEthernet規格に則ったデータ形式であるフレームレベルにおける相互接続での動作確認は、両システムが標準化に準拠したものであることを立証したと言える。
100GEは、高精細画質映像や立体映像配信をはじめ、クラウドコンピューティング、大容量無線通信など、NGN時代の新サービスを実現する通信インフラ技術。今後、日立はこの技術を大都市内や都市間ネットワーク、データセンタ向けのルータ、伝送システムへ適用することで、100GEの本格普及を実現する。
技術の詳細は、2009年7月22日から開催される「日立uVALUEコンベンション2009」のネットワークソリューション・セミナーにて紹介される。