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大西洋海底ケーブルの将来に容量不足の不安
June 23, 2009, ワシントン--テレジオグラフィ(TeleGeography)の世界帯域予測サービス(Global Bandwidth Forecast Service)によると、大西洋横断海底ケーブルの帯域需要は2008-2015年の間に年平均(CAGR)33%のペースで成長する。
このペースで成長すると、大西洋横断ケーブルの帯域容量は2014年までに使い切ることになり、地理的にルートが多様化しているケーブルでは容量不足の顕在化はさらに早まる可能性がある。新規の容量増が必要とされていることは明らかだが、誰が、どのように増設するかは明らかでなく、資金の調達も明らかでない。10年前のスタート時、帯域過剰であったためにオペレータは経営のリストラクチャを迫られ、破産申請に追いやられ、ケーブル建設コストが回収不能になった。結果として、現在の10Gbps波長の月額卸売価格約14000ドルは、回線プロビジョニングに必要な光伝送装置の増分コストしか反映しておらず、ケーブル建設コストは反映されていない。「大西洋横断ケーブルのオペレータや卸購入者は緩やかな危機に直面している。今新規のケーブルを建設すると、回線コストは現行の市場価格よりも遙かに高くなってしまう」とテレジオグラフィのアナリスト、Alan Mauldin氏は指摘している。
2014年はまだ先の話だが、ケーブルの建設や資金調達の周期は長期にわたるのでキャリアは早晩この課題に直面せざるを得なくなる。ラインレート40Gbpsというような新技術によって、オペレータは一部の既存システムで容量拡大ができるかも知れないので、新たなケーブル建設が先送りになる可能性もある。「しかし、こうした技術は商用長距離海底ケーブルでは実証されておらず、逃れようのない最後の審判の日の先送りにしかならないだろう」とテレジオグラフィは見ている。