All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

チューナブル液体マイクロレンズ

May 29, 2009, University Park--ペンシルバニア大学の研究者によると、チューナブル液体マイクロレンズで光の焦点や方向を自由に操作し、細胞のカウント、分子の評価、オンチップ光ピンセットの作製などができる。他にも、医療機器のイメージング、プローブ先端の排除も可能。
 従来の固定焦点レンズでは光の焦点は一方向のみ。対象物に焦点を合わせる、あるいは光の方向を変えるにはレンズ全体を動かさなければならない。従来のチューナブルレンズではレンズ・オン・ザ・チップ(lenses on the chip)は成功していない。しかし、液体レンズは、そのままの状態で焦点距離や方向を1秒以下で変えることができ、しかも製造過程でチップ上にレンズを作製できる。
 「水と塩化カルシウムを利用した。すぐに使えること、安全であること、光学的特性の評価が出ていることがその理由だ」と理工学助教授、James Henderson氏はコメントしている。同氏によると、使える液体は多いが、溶液の濃度が変われば屈折率も変わる。
 様々な水溶液を使用することができ、「屈折率液体」なるものが市販されている。こうしたものは光学特性が優れており、優れた液体GRINレンズが実現できる。
 論文で報告されたレンズを作製するために、研究者たちは塩化カルシウムのコンスタントで微小な流れをつくり、その周囲に調整可能な2本の水の流れをつくった。水量の増減によってレンズの焦点距離を変えることができる。水に拡散する塩化カルシウムの量が変わると液体の屈折率が変わるため、焦点距離が変化する。
 Huang氏は、アプリケーションの1つとして光ピンセットを挙げている。現状の複雑なシステムは不要となる。レーザビームを集束し、細胞のような小片を捕まえ、思いのままに動かしたり回転させたりすることができる。内視鏡への応用も検討されている。
(詳細は、http://live.psu.edu/story/39719/rss49)

製品一覧へ

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.