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非線形材料を使ったレンズとソフトウエアで超高解像度イメージング
May 13, 2009, プリンストン--プリンストン大学の研究者は、錠剤程度の大きさの非線形光学(ストロンチウム/バリウム/ナイオベート)結晶で、方形の非線形ウエイブ・ミキサ(wavemixer)と呼ばれる特殊なレンズを開発し、歪んだ画像を回復するソフトウエアを加えて、超高解像度のイメージングシステムを実現した。
ガラスやプラスチックの通常のレンズを実装したイメージングシステムでは、高解像度を維持したまま広い視野にわたり測定対象物を捉えることはできない。イメージングシステムに入ってくる光量がレンズのアパチャによる制限を受けるからだ。研究者たちは、非線形光学材料をレンズに採用することでこの問題を解決した。ガラスやプラスチックなどの通常のレンズ材料では、光(光線:rays of light)は相互作用することなくレンズを通過する。非線形材料では光は複雑に相互作用する。光が混ざり合うことで、これまでカメラに届かなかった情報、つまり位相情報がカメラに記録されるようになる。研究者たちは、ホログラムと通常のレンズを組み合わせてイメージングシステムを試作。このシステムを用いて、その性能を確認している。ただし、取得した画像は歪んでいるので、それを回復するためのソフトウエアが必要だった。
UV光やX線を使用しても同様の解像度は得られるが、これらの波長は生きた細胞に害を及ぼす。「新しい方法は、遙かに高い解像度を実現しながら、生きた細胞に害はない」と研究者はコメントしている。
この新しいイメージングシステムのアプリケーションとしては、リソグラフィ、トモグラフィ、データの暗号化システムなどが考えられる。
(詳細は、Steven Schultz e-mail:sschultz@princeton.eduまたはプリンストン大学Engineering Schoolサイトまたは、April edition Nature Photonics)