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データセンタの省電力運用管理基盤システム開発
April 22, 2009, 東京--日立製作所 (日立)とNTTファシリティーズは、データセンタの省電力運用管理基盤システムを開発した。
同システムを用いると、IT機器とファシリティそれぞれの稼動状況を共通のアプリケーション上で一元管理できる。データセンタにおける運用情報の「見える化」と、双方の稼動状況に応じたきめ細かな「連係制御」ができ、データセンタの全体最適化を実現する。これにより、空調機を中心としたファシリティの消費電力を約10%削減することで、CO2排出量を年間約7万トン抑制する。
両社は、今後、本運用管理基盤システムを適用したデータセンタソリューションを、NTTグループ、日立グループのデータセンタをはじめ、一般のデータセンタに対しても提供することで省電力化を促進し、地球環境保護に貢献していく。
近年、データセンタの消費電力は増加の一途を辿っており、特に、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのIT機器と、ファシリティの中でもIT機器を冷却する空調機は、データセンタ全体の電力消費に占める割合が大きく、それらの運用を最適化して効率的な消費電力の配分や電力負荷の低減を実現することは、データセンタ事業者にとって重要な課題となっていた。
こうした要請に応え、データセンタ省電力化プロジェクト CoolCenter50 を推進してきた日立と、環境性と経済性を両立させる Green Integration を推進してきたNTTファシリティーズは、2008年7月に協業を発表し、データセンタの省電力運用の全体最適化を行う省電力運用管理基盤システムの開発を進めてきた。
IT機器とファシリティとの高度な統合運用を実現するために、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」、NTTファシリティーズの高効率空調機「FMACS-V」に対して、以下のような省電力統合運用のためのインタフェース情報を定義。
BladeSymphony:稼動状況 (温度、故障、運転状態など) および設定情報 (冷却ファン風量設定など)
FMACS-V:稼動状況 (温度、故障、運転状態など) および設定情報 (運転/停止、設定温度など)
これらを各機器に実装し、IT機器とファシリティの稼動状況および設定情報を、日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」とネットワークを通してやりとりできるシステムを開発。両社は、「これにより、IT機器とファシリティを一元的に管理し、省電力運用の全体最適化を行う基盤が整った」としている。
日立とNTTファシリティーズの両社は、協業で定義したインタフェース情報を、他のITベンダやファシリティベンダも利用できるよう、「BladeSymphony」および「FMACS-V」の技術資料として公開していく。