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太陽光発電市場価格暴落
February 20, 2009, ボストン--太陽光発電市場が大きく反落する局面にあることは間違いない、と調査会社ラクス・リサーチ(Lux Research)は指摘する。
同社の最新の調査レポート「太陽光市場の天頂」によると、太陽電池やモジュールの製造能力は2009年需要の2倍の規模になっている。一方で、市場全体は昨年の5.5GW、360億ドルから、今年は5.3GW、290億ドルに縮小する見込みだ。同レポートは、サプライヤ、メーカー、投資家の「いつ、どのくらいの期間で、市場は底を打つのか」という問いにも答えている。
「太陽光発電市場の供給過剰はしばらく漠然としていたが、経済危機によって調整局面の激しさが増した」と同社シニアアナリスト、Ted Sullivan氏は指摘する。「在庫を減らすために、サプライヤは太陽電池やモジュールの価格を25%、いやそれ以上に下げてきた。これが、短期的に暴落を呼び込んだが、この価格下落によって太陽光発電は送電線で送られてくる電力と同等レベルの価格に近づき、この価格下落によって市場回復と成長の準備を整えることになる。」
レポート作成にあたり、ラクス・リサーチは2008年9月に作成した市場規模、需要予測などを最新情報に改めた。修正されたこの需要予測と関連メーカーからの更新された生産能力予測とをつきあわせた。情報収集したメーカーに含まれるのは、184のポリシリコンメーカー、162の結晶シリコンセル/モジュールメーカー、29の高集光太陽電池(HCPV)開発企業、91の薄膜シリコンメーカー、10のCdTe薄膜モジュールメーカー、33のCIGS/CIS開発企業、12の太陽熱プロバイダ。
調査レポートの要点は以下の通り。
・太陽電池/モジュールの生産能力は、2009年の需要の2倍に拡大して、10.4GWとなると見込まれ、価格暴落は必至で、これにともない上位数社を除いては生き残れない。
・シリコン供給力の重要性はますます薄れる、これはモジュールメーカーが在庫を減らそうとしているからだ。しかし、その結果生ずる価格下落は、2011年までには落ち着き、太陽光発電では電力網で供給される電力にコストが近づく。これにより、市場は成長して、2013年には700億ドル、18.5GWに達する見込みだ。
・融資獲得の可能性が最も高い技術として、結晶シリコンが今年も引き続き市場優位性が高い。しかし競合する薄膜技術、アモルファスシリコン、CdTeなどの積極果敢な成長が続くと見込みだ。CIGSも、市場から撤退する企業があるなかで、漁夫の利を得るものと見られている。
・スペイン市場が縮小するに連れて、ドイツが再びヨーロッパ・バイヤーの頼みの綱となる。一方、米国市場の成長は、決まったばかりの政府の刺激策に大きく依存するところとなる。