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ネスティングシステムで早期に回収する

マーティン・ベイリー

CAMやネスティングソフトウエアへの標準的な投資によって既存の装置に新たな命を吹き込むことができる。

今日の極めて厳しいビジネス環境において、企業は小さなビジネスをかき集めることに必死である。ビジネスを勝ち取っても、その後には可能な限り高いコスト効果で製品を生産しなくてはならないという使命がある。
 レーザは他の切断加工技術に比べて多くの利点を有しているが、こうしたメリットは効率的にプログラムされている場合にのみ現実のものとなる。多くの場合、数ヶ月、早ければ数週間で元が取れるCAM やネスティングソフトウエアへの標準的な投資によって既存の装置に新たな命を吹き込むことができる。さらなる効率を追い求めるとき、企業が目標とできる三つの大きな領域がある。自動化や他のデータシステムへの統合によるプログラム時間の短縮、最適化したシークエンシングによる機械の運転時間の短縮、そして材料利用の改善である。
 一つの実例が米国ミネソタ州レイクヴィルに本社を置くヘルス製品の世界的リーディングメーカーであるヘルス&ホーム・テクノロジーズ社(Health & Home Technologies)だ。同社は、いくつかのブランドの10 台のレーザ加工機と4 台のパンチプレス機を組合せて使用している。しかし、彼らの以前のCAMシステムは効率的なネストを作製できず、操作が遅く、信頼性も低かった。
 製造エンジニアのダスティン・ラシエール氏( Dustin Rassier)は、「われわれのMRP とPro-E CAD システムに統合できるシステムが欲しかった。また、われわれの部品はその多くが方形ではないため、材料効率を最適化しようとした。この問題のため、われわれは別のシステムを探すことを決めた。全部で6 つのシステムを評価し、最終的にわれわれが設けたベンチマークによって、以前使用していたものも含めた他のシステムよりも10% も効率的なネストを作製するシステムを選択した。このシステムはわれわれの既存のデータシステムともうまく機能するように設定することができる。その結果、二重のデータ入力という無駄をなくすことができる。
 この新しいシステムはネスティングのインタフェースと一緒に2008年に導入され、これによって彼らの既存のMRPシステムによって自動的に投入される材料や注文のデータベースが提供されるようになった。彼らのPro-E CADシステムからもインタフェースが一つ購入された。このライセンスは特定のパソコンではなくサーバにインストールされ、ユーザは異なる場所から同時にログオンしてソフトウエアにアクセスすることができるため、作業現場での柔軟性が大幅に向上した。MRP、CAD、CAM間の統合は、人間による入力、作業の重複、エラーの可能性を大幅に低減するため極めて重要である。
 システムが稼働すると、すべての注文がMRP システムからCAM システムに自動的に転送されてネスティングの準備を整えるため、プログラム時間はすぐに短縮された。さらに、Pro-Eインタフェースはマウスのワンクリックで完成したCADデザインをCADからCAMへエクスポートすることが可能である。これにより、1日約2 時間が節約でき、エラーの可能性も低くなった。
 もっとも高速な切断/パンチのパスを見出してヘッドの動きをコントロールする最適化されたシークエンシング・ルーティンに加えて、通常の直線切断やインテリジェント・リードイン(レーザ加工機上の)などの特長により、機械のサイクル時間も大幅に短縮された。
 複雑なフリーフォームネストの作製にはしばしば時間がかかる。特にパーツが、ネストされる可能性のある角度での制約を受けない場合はそうである。ラシエール氏は、新しいシステムではネストの作製にかかる時間は大幅に短くなり、最大10%の効率向上につながったとしている。
 2008年初頭の導入以来、ヘルス&ホーム・テクノロジーズ社は、すでに同社が投下した資本に対する利益を得ている。同社は同じシステムによって稼働させる機械の幅を広げる計画をもっている。ラシエール氏は、「材料だけの節約分だけを考えても10か月でソフトウエアの元はとった。このほかに労働力や機械の稼働時間の節約もできた」と結論付けている。

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