自動車関連で最近のビッグニュースは、内燃機関エンジンの新車販売についてのドイツとEUの合意である。ただし、合成燃料の使用を条件としている。合成燃料は、ガソリン並の価格は期待できないので、この合意は、2035年以降もガソリンを使用するエンジン車の販売容認に等しい。
電気自動車(EV)に使用するバッテリーに関しては、米国エルギー省オークリッジ国立研究所の研究チームは、「全固体電池の商用規模製造は、電気自動車メーカーのゴールである。これらのバッテリーは、高速充電、長寿命の可能性があり、現在市場にあるリチウムイオンバッテリーよりも安全に動作するからである」と説明し、現在、中国メーカーがトップを走るバッテリー市場の先行きを展望している。
実際、2023年1月MOTORTRENDによると、今年、米国証券取引所に上場予定の米サクー社(Sakuu)の全固体電池は、現状で800Wh/lと紹介されており、現行のリチウムイオンバッテリーの平均350 ~ 500Wh/lの性能をはるかに上回っている。電動化の流れは着実に進んでいる。以下では、今年2月、European Automobile Laser Application(EALA)で自動車部品加工向け可視光レーザ(Visible laser processing for e-mobility parts)について発表した株式会社デンソー、白井秀彰氏にEV市場のトレンド、自動車部品製造に投入されている同社の多彩な技術、今後稼働が予定されている新規導入ブルーレーザにおける加工プロセスについて聞いた。
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