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一画素カメラでホログラム動画の記録に成功

June, 3, 2025, 神戸--神戸大学大学院システム情報学研究科の米田成准教授と次世代光散乱イメージング科学研究センターの的場修教授は、スペインのジャウメ1世大学のEnrique Tajahuerce教授のグループと共同で一画素センサを使用したホログラム動画の記録に成功した。
通常、画像を取得するには光センサを二次元的に複数画素並べたイメージセンサが必要。しかし近年ではわずか一画素で画像を取得する「一画素カメラ」の研究が進められており、次世代の分光技術や散乱透視技術への応用が期待されている。
一方で、従来の一画素カメラでは、観察対象が二次元物体に限られており、三次元物体を対象とする場合や、動的な対象への応用は困難だった。この研究では、高速に動作する空間光変調器を導入することで動的物体の観察を可能とし、圧縮センシングと組み合わせることで、一画素カメラにおいておよそ28fpsを実現できることを実証した。また、この技術を散乱体の向こう側を可視化することができる散乱透視顕微鏡へ応用できることも確認した。今後、低侵襲な生体深部三次元観察に応用されることが期待される。

この研究成果は、5月15日に、米国光学会(Optica)が出版する科学論文雑誌「Optics Express」に掲載された。

ポイント
・一画素カメラで三次元物体の動画記録が可能な技術を実現した。
・散乱体の向こう側で動く対象の顕微鏡観察を実現した。
・低侵襲な生体深部三次元観察に応用されることが期待される。

(詳細は、https://www.kobe-u.ac.jp)