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光ファイバ敷設困難な場所で100Gbpsの大容量通信を実現

December, 26, 2024, 東京/三重--三重大学、株式会社日立国際電気、デクセリアルズ フォトニクス ソリューションズ株式会社、株式会社KDDI総合研究所、東洋電機株式会社は、2024年10月27日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで撮影した4チャネルの非圧縮4K映像を、オールオプティカル型光無線伝送システムと光ファイバ伝送システムを経由して55km離れたケーブルテレビ事業者の社屋までライブ伝送するフィールド実証に成功した。
既設光ファイバを含む実フィールドで光無線技術を使った4K非圧縮マルチチャネル映像の伝送(100Gbpsの通信)は世界初である。

この実証では、放送・通信事業者による商用化を想定したネットワーク構成で映像を伝送した。今回の成果により、サーキットなどの光ファイバの敷設が困難な場所から、迫力のあるモータースポーツなどの多視点・高精細映像を視聴者へ届けることが可能になる。

光無線トランシーバについて
光無線伝送システムは、光ファイバが敷設されていない区間で一時的に臨時回線を設営する際に利用されている。従来は、光信号と電気信号の相互変換を行う方式を採用した光無線トランシーバが使用されてきた。この接続方式の伝送容量は0.1~10Gbps程度であり、6G時代に求められる性能を満たすことができなかった。今回、東洋電機が開発した本光無線トランシーバは、高速・高精度に光信号を自動追尾する機能を搭載し、光ファイバのコアから出射された光を電気信号に変換することなく光信号のまま対向側の光ファイバのコアに入射させるオールオプティカル型の接続方式を採用した。この接続方式では、伝送信号のフォーマットやビットレートに依存せずに通信が可能で、既設のシングルモード光ファイバ間をシームレスに接続することが可能。この特長により、従来型の光無線トランシーバと比較して、大容量通信を可能にした。また、光信号と電気信号の相互変換を行わないため、消費電力や遅延を削減できる。

(詳細は、https://www.kddi-research.jp)