November, 25, 2024, 東京--理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター 強相関界面研究グループの中村優男上級研究員、安波貴広研修生(東京大学 大学院工学系研究科 大学院生(ともに研究当時))、川﨑雅司 グループディレクター(理研研究政策審議役、東京大学 大学院工学系研究科 教授)、強相関理論研究グループの永長直人 グループディレクター(最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部基礎量子科学研究プログラム プログラムディレクター)、強相関物性研究グループの十倉好紀グループディレクター(東京大学 卓越教授(国際高等研究所東京カレッジ))らの国際共同研究グループは、量子力学的な位相効果を利用することで、本来は電気伝導に寄与しない励起子からの光電流発生に成功した。
この本研究成果は、従来の太陽電池や光検出器において利用が困難であった励起子を有効に活用する道を開くとともに、励起子物性に関する新しい理論的枠組みの構築に貢献すると期待される。
今回、国際共同研究グループは、空間反転対称性が破れた結晶構造を持つワイドギャップ半導体のヨウ化銅において、電気的に中性である励起子状態からシフト電流と呼ばれる量子位相効果に起因する光電流が発生することを実証し、励起子がシフト電流を増強することを明らかにした。
研究成果は、科学雑誌『Nature Communications』オンライン版(11月16日付:日本時間11月16日)に掲載された。
(詳細は、https://www.riken.jp)