LCD ディスプレイとデジタル写真撮影では偏光板が重要ではあるが、偏光板は多量の光をブロックしてエネルギーが減るため、光量が少ない難しい撮影になる。米国ユタ大学のエンジニアチームは、電子機器のディスプレイで光量を30パーセントアップさせる偏光フィルタを開発した。
電気・コンピュータ工学のRajesh Menon 準教授は「スマートホンやタブレットなどの電子機器のディスプレイには2枚の偏光板が使われており、液晶ディスプレイとして動作する際、結局は光の大部分を失う。このエネルギー効率を良くできれば、ディスプレイの電池寿命が飛躍的に伸びる。またはディスプレイの明るさを増すかことができる」と話す。
Menon 準教授とチームは偏光板に入射する光の74パーセントを通過させることに成功し、100パーセント通過という目標達成への期待を抱いている。「写真撮影時は偏光板をオンにして、グレアをなくそうとするが、殆どの偏光板は60~70パーセントの光を通過させない。この新しい偏光板は、通常は反射されて戻る光の殆どを望ましい偏光状態に変換する」とMenon 準教授は説明している。
この技術が今後5~10年以内を目処に商用化され、フィルタサイズの大型化と生産コストの低下が見込めると、同チームは予想している。
詳細はScience Daily誌のウェブへ。(2014/11/25)