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電子機器を改善するカーボンナノチューブ

 米国テキサス州オースティンにあるテキサス大学の研究者チームが、カーボンナノチューブとも呼ばれる半導体材料を使うことで「トランジスタと回路の信頼性と性能が飛躍的に向上する」ことを発見した。ナノチューブは、電子機器においてはシリコンより性能の良い代替品となっている。研究チームは、この発見と研究結果を「Applied Physics Letters」というタイトルの論文として発表した。
 「この論文でチームは、単層カーボンナノチューブ(SingleWall Carbon Nanotube : SWCNT) トランジスタおよびリング発振器回路上でのPVDF-TrFE というフッ素重合体コーティングの効果を調査し、このコーティングが単層カーボンナノチューブ機器の性能を大幅に向上できることを示した。PVDF-TrFE は、長い化学的名称であるポリフッ化ビニリデンテトラフルオロエチレンとしても知られている。今回の改善は、不純物のネガティブな影響と半導体単相カーボンナノチューブの性能の欠点を緩和し、PVDF-TrFE の正反対の性質に起因すると考えている。(PVDFTrFE)キャッピング層の使用は、プリント電子機器内やフレキシブルディプレイ用途の単層ナノチューブ回路の採用に非常に役立つ」と、テキサス大学オースティン校Cockrell School ofEngineering のAnanth Dodabalapur 教授は語る。
 「シリコンだと、小型、高速で安価な電子機器の需要の増大に物理的な制限が見えてしまうため、科学者はシリコン機器の後継者としてカーボンナノチューブ機器で何十年も実験を繰り返してきた。単層カーボンナノチューブでできた回路はシリコンより将来的にエネルギー効率が良いとわかってはいたが、高電力散逸や不安定さなどの電界効果トランジスタにおける欠点のために、現在はその用途がプリント電子機器に限られている」と同教授は述べた。
 詳細はScience Dailyのウェブへ。(2014/09/25)