米国海軍は「Electromagnetic maneuver warfare」と呼ばれる新しい戦略で、電子戦の管制を計画している。
「これは電子戦を管制するシステムで、EA-6B プラウラーやEA-18G グラウラーなど個々のプラットフォームは、敵を欺き妨害するために自身のエミッションを上下に変動させ、敵のネットワーク信号からデータ収集する」という。
今日では軍用・民間のネットワーク両方において誰もが常時接続し、たとえ使用していないときでも携帯電話やタブレットなどの機器で絶え間なく電磁信号を送信していることが、電磁戦のメイントピックである。これこそ飛行中に電子機器をスイッチオフしなければならない理由であり、機器がオフ状態になれば妨害も最小限となる。
「つまり、地上でも空中でも、戦闘員は今や電磁エミッションに対応しなければならないという考え方である。たとえ私が飛行機に乗り、終日、送信できる環境にいたとしても、そうはしない。航空機および船舶は受動的センサを最大限に活用して、例えば潜水艦乗組員などの環境ではエミッションを「聞く」必要がある。部隊の誰かに極めて重要な情報を送信し、レーダーでターゲットを見つけたり、敵の信号を妨害するために機器をスイッチオンしなければならない時でさえ、わざと、予測できない方法を使わなければならない。私なら同じ周波数、パワーレベルで送信しないし、同じ変調も使わない。RF (radio frequency : 無線周波数) スペクトラムから離れてEO (electro-optical:電気光学、例えば可視光) を使うかもしれない」と、「Electronic ManeuverWarfare 導入戦略」の筆頭執筆者である海軍のRob Gamberg大尉は言う。
Electronic Maneuver Warfare は、洋上では海軍の新しいEA-18G グラウラーを、またEA-6B プラウラーと MH-60R ヘリコプタも使用して、実験が続けられる予定。
Gamberg 大尉は海軍が「潜水艦から無人機まですべてをつなぐ1つの電子戦争ネットワークリンクを作る」には、非常に長い道のりが待っていることを理解し「このチャレンジはすべてをまとめ、理解し、実際に使えるようにすることが目的だ。やらなくてはいけないことが山ほどある」と述べている。
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