「Active Region 12192」と呼ばれる地球10個分もの巨大な太陽の黒点が地球と一直線に並び、大きな問題を起こす可能性がある。
この黒点は過去24年間で最大となるもの。この黒点は2014年10月に地球と相対し始め、6回爆発しているがコロナ質量放出(CME : coronal mass ejection) はない。11月初めに再出現するまでの2週間は消えていたが、現在は再び回転して地球に向いており、今回はコロナ質量放出がありそうだ。「太陽フレアが小さいとしても、今度こそコロナ噴出が起きる可能性が高い。磁場と黒点の構造に基づき、中程度のフレアが起きる可能性が非常に高いと見ている」とNASA の科学者であるHolly Gilbert 博士は語る。こういう巨大な太陽フレアは地球に大きな影響を及ぼし、衛星や電力網を妨害しかねない。衛星が損傷すれば修理するのに莫大なコストがかかる。フレアは航空会社、宇宙飛行士およびその作業環境、電力網にも影響する可能性がある。磁界が非常に高密度なので超巨大な太陽嵐(solar superstorm) が起こる恐れがあるという研究者もいる。「このような事象は地上の電流や架空送電線に巨大なサージを誘発し、広範囲の停電を引き起こして重要な電子機器に深刻な損傷を与える可能性がある。異常に激しい太陽嵐が地球に向かってくるのは必然だ」とSolamax のメンバーAshley Dale 氏は言う。
1859年に起こった史上最大の太陽嵐キャリントン・イベントは、広島の原爆100億個分相当のエネルギーを放出した。「キャリントン・イベントと同規模の嵐が起きれば、通信システムや電源供給に大損害を与え、輸送や公衆衛生、医療などが活動不能になってしまうだろう。電気がなければ、車やガソリンスタンドの燃料は不足し、ATM からの出金やオンライン支払いも困難になる。水道・下水道設備も被害を受けるため、市街区域での流行疾患はあっという間に広まり、何世紀も前に根絶したと思っていた病気もすぐに復活する」とDale 氏は続ける。NASAの科学者は以前、地球がキャリントン・イベントに匹敵する超巨大太陽嵐に150年毎に遭遇するだろうと予言したことがある。そのサイクルでは既に5年が過ぎており、今後数年間に超巨大太陽嵐が地球を襲う確率は12パーセントであることも科学者は警告している。
詳細はDailymail.UKのウェブへ。(2014/12/04)