北朝鮮の最高指導者、金正恩の暗殺未遂を描いた映画「TheInterview」が、米国に対する北朝鮮の脅威の引き金となった。
2014年12月24日に起こったソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃には北朝鮮に関わっていたことがわかり、ソニー側は12月25日の同映画の上映開始を取りやめた。国家の安全保障は、さらに大きな問題に関わってくる。つまり北朝鮮による米国全土の電力網ダウンの可能性である。「当初は、北朝鮮にそこまで電子システム攻撃能力があるとは評価されていなかった。だが米国情報筋が明らかにしたところによると、ハッキングにより国の生命線である重要なインフラ攻撃への脅威が高まった。敵国の通信と電力網を壊滅させるという長期目標の予行演習として、北朝鮮のエリートサイバー軍がハッキング攻撃を実施した可能性がある」と専門家は話す。米国情報筋は、3千人の個人から成る北朝鮮のユニットBureau 121 がソニーを攻撃したことを突き止めた。米国国土安全保証の議会特別部隊の事務局長Peter Pry 氏は、技術的水準の高い他国にあるプロキシを使って北朝鮮が攻撃したと見ている。
「Bureau 121 は米軍サイバー司令部に相当し、完全に攻撃のみを任務としている。北朝鮮には軍事以外の民間インターネットはないので、国外からのサイバー攻撃に対処することはない。電力網など北朝鮮の重要なインフラはウェブに接続していないため、外部からハッキングされたりサイバー攻撃を受けることはない。ロシアと中国も同様にして自国の重要なインフラをサイバー攻撃から隔離し、核電磁パルス攻撃からの防御も固めている。一方、米国およびその同盟国はウェブサイトへの相互接続により脆弱になっている。中国およびロシアはサイバー攻撃によって米国全土の電力網をブラックアウトする能力を持っているが、北朝鮮がそのような最新のサイバー攻撃能力を持つとは思えない」とPry 氏は話す。北朝鮮のBureau 121は中国から操作され、北朝鮮には直接のインターネット接続がないので、Bureau121のサイバー攻撃には他国からの援助があっただろうとも、Pry氏は指摘する。
国家安全保障局の管理指導者Michael Rogers 氏は議会に、中国なら実際に米国の電力をシャットダウンできるだろうと語った。「他の1、2ヵ国と同様、中国は米国の一部地域で電力網を壊滅させるサイバー攻撃を実施する能力を持つ。ロシアや中国などは、原爆にも相当するサイバー兵器を開発している可能性がある。米国はあらゆることに備えなくてはならない」とRoger 氏は付け加えた。
詳細はりWNDのウェブへ。(2014/12/30)