米国食品医薬品局(FDA : Food and Drug Administration)は、「Maestro Rechargeable System」を肥満成人のための減量機器として承認した。このシステムは、空腹と満腹の感覚をコントロールする脳と胃の間にある神経路をターゲットとしたもの。Maestro Rechargeable System は、20 07年以降、初となるFDA 承認の肥満用機器である。18歳以上、BMI 値が35~45で、他に1つ肥満関連条件(2型糖尿病など) があり、他の手段でも減量ができなかった患者を対象として承認された。FDAによると「Maestro Rechargeable System は充電可能な電気パルス発生器、リード線、外科的に腹部に埋め込まれた電極で構成されている。断続的な電気パルスを腹部迷走神経の主要部に送ることで動作し、胃の空腹感を調節して、空腹か満腹か脳に信号を送る」という。
この機器の効果および安全性は、BMI 値35以上の233人の患者が参加した臨床試験で評価された。対照群にいた76人の患者を、残り157人の実験群の患者と比べた。実験群はアクティブな機器を使い、対照群はアクティブでない機器を用いた。12ヵ月後に出された実験結果では、実験群では対照群より超過体重が8. 5パーセント以上減った。実験群の約半数が超過体重の少なくとも20パーセントを減量でき、実験群の38. 3パーセントの患者が少なくとも超過体重の25パーセントを減らした。この実験は、実験群が対照群より10パーセント以上の減量をするというゴールには達しなかったが、FDA 諮問委員会はこのデータにより「減量を維持し、機器が提案する数値基準に合う患者にとっては使用する効果がリスクを上回る」と認めた。この機械の効果とリスクは両方ともFDA によってレビューされている。「承認を受ける条件の一部として、メーカーは最低100人の患者について5年間の承認後検証を実施し、安全および効果について減量や有害事象、外科的補正、装置の取り出しや肥満関連条件における変化など追加データを収集することが義務付けられている」とFDA は述べている。
詳細は下記のウェブへ。(2015/01/28)
– FDA
– EnteroMedics® Inc.社