ドイツの心臓病学の研修医CarstenLennerz 氏は、European Heart RhythmA s s o c i a t i o n ( E H R A ) E u r o s p a c eCardiostim で研究結果を発表した。「ペースメーカーはスマートホンからの電磁妨害(EMI) を誤って心臓の信号として検出してしまう可能性があり、短期間の動作停止の原因になる。ペーシングに依存している患者の心臓の鼓動が中断した結果、患者が失神する場合がある。植込み型心臓除細動器(ICD : ImplantableCardioverter Defibrillator) に用いる外部信号は、致命的な心室の頻脈性不整脈と似た症状を呈し、ICD が痛みを伴うショックを患者に与える」と、Lennerz 博士は話している。
研究者グループは308人の患者を分析した。患者のうち147人はペースメーカーを、161人はICD を植込んでいた。彼らは心電図(ECG) を度々記録して、近くのスマートホンに起因する電磁妨害について調べた。研究者グループは、スマートホンがこれらの医療機器に電磁妨害を引き起こすことはまれであると断定したが、患者にはスマートホンとの距離を保つほうがよいと提案した。「スマートホンと心臓デバイス間の電磁妨害はまれではあるが、あり得ることなので、今の安全な距離を保つように推奨することを続けるべきだ。興味深いことに、我々の研究においてEMI の影響を受ける心臓デバイスはMRI によっても影響を受けることがわかった」と研究グループは言う。
研究の上席著者Christof Kolb 氏はHealthDay News に対し「誰もがスマホを使用しているので、スマホに近づきすぎれば心臓デバイスに電磁妨害が起こる可能性がある。だからといって心臓デバイスを植え込んだ人がスマホを使わないほうが良いということにはならないが、心臓デバイスのすぐそばにスマホを置いてはいけない」と話した。
詳細はImmortal Newsのウェブへ。(2015/06/25)