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IEC 61000-4-2:2025発行~静電気放電イミュニティ試験

 規格の表題は「電磁両立性(EMC)-第4-2部:試験及び測定技術-静電気放電イミュニティ試験」である。これはオペレータから直接の静電気放電、または人体から隣接する物体への静電気放電を受ける電気機器および電子機器の耐性要求および試験方法に関する規格である。更に、さまざまな環境および設置条件に関連する試験レベルの範囲を指定し、テスト手順を確立する。目的は、静電気放電を受けたときの電気機器および電子機器の性能を評価するための共通かつ再現可能な基準を確立することである。人体から機器の近くの物体に対して発生する静電気放電も含まれる。
 次の事項を規定している。

– 放電電流の理想的な波形
– 試験レベルの範囲
– 試験機器
– 試験セットアップ
– 試験手順
– 校正手順
– 測定の不確かさ

 Part4-2は、IECガイド107に従ったEMC基本規格の位置づけである。この第3版は、2008年発行の第2版をキャンセルして差し替える。第3版は技術的な改訂版であり、以前の版に比べると以下の重要な技術的変更が含まれている。

a) 気中放電チップを備えた ESD発生器の校正要求事項を追加
b) 特定の種類の機器の試験セットアップに関して規定した付録を追加(付録I参照)
c) ウェアラブルデバイスに関する情報附属書を追加(付録J参照)
d) 静電気印加箇所の選択方法と直接接触放電の印加回数を指定する方法に関するガイダンスの情報附属書を追加(付録E参照)
e) 第9項を新たな情報附属書に移動(付録K参照)
f) 放電電流の校正手順の改善(付録B参照)
g) 不確かさ割り当て例を用いた測定の不確かさの改善(付録F参照)
h) 設置後の試験は制御された環境で実行できないので、この試験方法は新しい情報附属書の付録Gに移動
i) エスカレーションストラテジ(Escalation strategy)が規定扱いに(付録H参照)
j) ESD発生器の規定に放電電流の第2ピークを追加(6.2項の図2、表3参照)

 詳細はIEC のウェブへ。(2025/3/7)
https://webstore.iec.ch/en/publication/68954