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ニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサ商用化がIEEEマイルストーン認定

「ニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサの商用化、1982年」がIEEE マイルストーンに認定され、2024年3月8日、株式会社村田製作所の本社にて銘板の贈呈式が行われた。

【銘板の翻訳】
「ニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサの商用化、1982年」
株式会社村田製作所は、1982年にニッケル内部電極を用いた積層セラミックコンデンサ(Ni-MLCC)を商品化し、その主要メーカーとなった。静電容量密度の向上、製品の小型化、コスト削減におけるさらなる革新により、このセラミックコンデンサは産業用、医療用、民生用のコンピュータおよび通信装置で広く使用されるようになった。Ni-MLCCの世界的な普及により、2021年には年間生産量が1兆個を超えた。2024年3月

MLCC(multi-layer ceramic capacitors)が世界で初めて製品として用いられた1966年当初、MLCCの内部電極には高価な貴金属が使われており単価が高かったため、採用された用途は限定的であった。貴金属を安価な金属に代替するには技術的課題があり、金属の酸化を避けるため低酸素濃度で焼結できる誘電体セラミックス材料を開発しなければならなかった。そこで安価な金属のニッケルを採用するとともに誘電体セラミックス材料の開発を行い、1973年に品質と低価格を兼ね備える
Ni-MLCCを開発。その後、約8年をかけて、材料の実用化と生産工程の構築を行い、1982年にNi-MLCCの量産化を実現した。
現在では、エレクトロニクスに必要不可欠な部品として、通信機器、自動車、家電製品、産業機器、医療機器など幅広い分野で採用され、産業の発展に貢献している。さらに、それぞれの用途に応じて小型化、静電容量密度の向上、製造コスト削減などを追究し、年間1兆個以上のNi-MLCC が世界中に供給されている。
最近では世界最小0402Mサイズで定格電圧100V対応の低損失チップ積層セラミックコンデンサを商品化している。
詳細は下記のウェブへ。(2024/03/08)
● IEEEへのマイルストーン提案:
https://ieeemilestones.ethw.org/Milestone-Proposal:Commercialization_of_Multi-Layer_Ceramic_Capacitors_with_Nickel_electrode_(Ni-MLCCs),_1982
●村田製作所のニュース記事:
https://corporate.murata.com/ja-jp/newsroom/news/company/general/2024/0308