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FCCが新型コロナウイルスで増える在宅ネットワークに関するヒントを掲載

 FCCが掲載したウェブのタイトルは「Home Network Tips for the Coronavirus Pandemic」。社会的距離(social distancing)に関する公衆衛生ガイドラインによって、数千万人のアメリカ人が家にこもる状態が突然、当たり前のことになった。子供は学校に行かなくなり、両親は在宅勤務、誰もがインターネットアクセスを必要としているので、ホームネットワークのパフォーマンスを最大限利用することが重要になっている。そのために必要なヒントがFCCから以下のように発表されている。

1.ネットプランの確認
 まず自宅のインターネットプランをよく見て、契約速度が各家庭のニーズに合っているかどうか確認する。FCCが出している「家庭用広帯域ガイド」と「広帯域スピードについてのガイド」は、その尺度として有用である。

2.通信速度の試験
 ブロードバンド速度試験アプリをダウンロードするか、速度試験のウェブにアクセスして、現在のブロードバンドのダウンロードとアップロードの速度をMbps(メガビット/秒)で確認できる。
 速度が予想よりも遅い場合は、プロバイダに連絡して、トラブルシューティングのヒントを探す、または自宅のあるエリアで速度に影響があるような停止やサービスの中断があるかどうか確認する。ルータの電源をオフにしてから再度オンにするルータの再起動だけで問題が解決することもある。
 これらのヒントが機能せず、上記を試してもだめな場合、古くなったルータなどの機器に問題があるのかもしれない。ルータのモデル番号を検索して、契約した速度が提供可能かどうか確認する。高速サービスを利用するには機器のアップデートが必要な場合がある。アップデートが利用できない場合は、新しいルータを購入するか、プロバイダからアップグレードされたルータをレンタルすればよい。

3.家庭内相互接続性
 家庭でネットサービスを利用している世帯の大多数は、ホームルータでWi-Fi(ワイヤレス)サービスを使用している。複数のワイヤレスデバイスが同じWi-Fiネットワークを使用しているとパフォーマンスに影響があり、遅延が生じて応答が遅くなる可能性がある。
 最近のワイヤレスルータは、多くの場合、2つ以上のWi-Fi信号に対応していて、1つは2.4 GHz帯域、もう1つは5 GHz帯域である。
 2.4 GHz接続は、通常、より広い範囲をカバーするが、5 GHz接続よりもデータ処理が遅い。2.4GHzは、多くの家庭用デバイスとほとんどのWi-Fiルータが動作する周波数でもある。ルータのWi-Fi設定で利用可能な他のWi-Fiネットワークのリストが表示されると、パフォーマンスはそれらの隣接ネットワークの影響を受ける可能性がある。
 5 GHz接続を使用するルータは高速だが、信号の範囲は2.4 GHz帯域よりも狭くなる。さらに5 GHz帯域は高速なだけでなく、近隣のWi-Fiネットワークによる混雑が少ないため安定した接続を提供できる。
 自分のルータの5 GHzネットワークを、仕事や学校などの最も重要な用途専用にすることを検討してほしい。パスワードを変更するか、Wi-Fiネットワークにアクセスするデバイスを管理して、重要でないデバイスには接続しないようにする。より高度なネットワークパーティションのオプションについては、ルータのマニュアルを参照すること。自宅のWi-Fiカバー範囲を最大化するには、ルータを家の中央付近に配置してみるとよい。Wi-Fiレンジエクステンダーまたはメッシュネットワークルータも、家中のWi-Fi信号強度を向上させることができる。
 ルータと、ネットアクセス用デバイス(ノートPCとルータを接続するコードなど)の間を直接イーサネットケーブルで接続すると最高速度が得られ、Wi-Fiの輻輳問題が緩和される。デバイスをルータに直接接続できるよう、主にオンライン業務をする部屋にルータを再配置することも検討する。ノートパソコン(またはストリーミングTVやゲームシステムなど他のインターネットデバイス)にイーサネットポートがない場合は、USBイーサネットアダプターの使用を検討する。
 特に自宅で作業する場合は、常にセキュリティを念頭に置いてほしい。 詳細については、FTC(Federal Trade Commision:連邦取引委員会)の「Online security tips for working from home(在宅ワークのためのオンラインセキュリティガイド)を見てほしい(文末参照)。

4.インターネットの利用スケジュールの作成
 サービス速度の速い最新のWi-Fiルータでさえ、家族全員がビデオのストリーミング、グラフィックスを多用するゲームのプレイ、仕事でのVPN(仮想プライベートネットワーク)の使用、ビデオ会議などを同時に行おうとすると無理が生じる可能性がある。パフォーマンスの問題を回避し、使用を優先するために、家族とガイドラインを設定し、毎日のスケジュールについて話し合うとよい。
 在宅勤務でフレックス勤務が許可されているなら、ホームネットワークの高トラフィック時間を回避できるかもしれない。

5.オプションの調査
 自宅で良好なセルラー信号を受信できる場合、自宅Wi-Fiネットワークの輻輳を緩和する他の方法は、携帯機器をWi-Fi ネットワークから切断することである。また、モバイルデバイスのテザリング機能を使って、ノートPCなどをモバイルサービスに接続することもできる。但し、デバイスを携帯電話専用サービスに切り替える前に、携帯電話のデータプランを確認し、データ上限を超える超過料金が発生しないことを確認するほうがよい。また、居住地域での固定ワイヤレスサービスやその他の携帯電話の選択肢についても検討してよい。
 自宅のWi-Fiネットワークで輻輳が発生していない場合は、スマートフォンのWi-FiおよびWi-Fi通話をオンにすると、データを節約しモバイルネットワークでの潜在的な輻輳を軽減できる。また携帯電話プランのデータ超過料金も回避できる。
 多くのプロバイダは、新型コロナウイルスの緊急事態に際して無料のWi-Fiホットスポットの提供を約束している。また割引や一時的なアップグレードを安く、あるいは無料で提供したり、データプラン上限を撤廃している企業もある。

6.自宅に新たなインターネットサービスを探す場合
 EveryoneOnにアクセスして、新型コロナ(COVID-19)危機に対応するプロバイダが提供する低価格のネットサービスを探してみるとよい。EveryoneOn は非営利団体で、低所得世帯向けに手頃な価格のネット接続やコンピュータを提供し、デジタルスキルのトレーニングを実施して、社会的および経済的な機会を創出することに取り組んでいる。
 Life line programは条件を満たす世帯のサービスコストを下げるサポートも提供している。米国民をブロードバンドに接続するFCCの取り組み詳細については、Bridging the Digital Divide for All AmericansのWebページにアクセスするとよい。
 詳細は下記のウェブへ。(2020/3/26)

● Household Broadband Guide
https://www.fcc.gov/consumers/guides/household-broadbandguide
● Broadband Service for the Home: A Consumer’s Guide
https://www.fcc.gov/research-reports/guides/broadband-servicehome-consumers-guide
● Online security tips for working from home(FTC Guide)
https://www.consumer.ftc.gov/blog/2020/03/online-securitytips-working-home
● Bridging The Digital Divide For All Americans
https://www.fcc.gov/about-fcc/fcc-initiatives/bridging-digitaldivide-all-americans