1.システム
試験業務に適切なパワーアンプを選ぶ場合、トレーニングと継続的なサポートが得られることが、システム構築に必要な多くの重要項目の1つである。そうすることで、試験エンジニアやテクニシャンが最良の試験を実施できるようになる。システム・エンジニアは、要求事項を決定するにあたって、顧客と密接に打ち合わせをしなければならない。いったんシステムに対する要求事項が全て集められると、システムの損益が集計され、各要素を選択して顧客からの特定ニーズに応える最良のアンプを探すことになる。
EMCのRIおよびCIシステムは以下全てを統合可能:パワーアンプ、アンテナ、カプラ、シグナルジェネレータ、システム・コントローラ、レシーバなど。もちろん制御ソフトウェアも。つまり全てオールインワンの統合試験システムである。図1に、移動可能なRI試験システムの例を示す。このシステムは、MIL-STD-464Cの試験規格に従った高強度電磁放射(HIRF: High-Intensity Radiated Fields)レベルに適合している。図1のシールドされたラック(扉は外してある)にはパワーアンプ、RFスイッチマトリックス(SCP2000)、電力測定機、シグナルジェネレータなどが収納されていて、アンテナマスト、アンテナアッセンブリ、アンテナアッセンブリを上下させるモータ駆動装置なども見える。すべての構成要素は非常に頑丈な移動カートに取り付けられている。
その他の例としては、完全なエミッション試験性能、高・中・低電力の放射および伝導イミュニティ試験システムなどがある。これらのシステムはARの試験ソフトウェアemcwareで完全に自動化されている。図2に示すシステムは、HIRFシステムに追加された機器で1 kV/mまでの電界を発生させることが可能である。移動用の構成と固定アンプのサブシステムの数は、周波数と電力の要求によって決定する。
(その2に続く)
図1.移動可能な放射イミュニティ試験システム
図2.HIRF試験システム
[訳者注]※高強度電磁放射High Intensity Radiated Fields:HIRF