5.附属書(Annex):一読を要す!
規格の一番最後あたりに重要な情報(必須情報の場合もある!)があると予想している人はいないだろう。実際、これはこの種の最初の事例ではない。EMCラボのエンジニアは日々、規格を使って仕事をしているので、技術委員会のメンバーは親切で、イミュニティ・レベルや規格の一般的な解釈について有用なヒントを気前よく提供してくれることを知っているはずである。以下に、この規格のいろいろな附属書をガイドとして列挙しているので、さっと見れば探しているものが見つかるはずである。
・附属書B:ラベリングおよびマーキング要求について
・附属書C:医用機器の分類方法(CISPR 11に基づくグループとクラス)
・附属書E:特別な環境に適用するイミュニティ・レベルの決定方法
・附属書F:リスク管理(hints and tips)。ISO 14971を参照のこと
・附属書G:試験プラン。試験実施「前」に試験ラボへ提供すること。
6.EMC 分野の手引きの王道
医用電気デバイスのEMCを概観し、この大きな変更に多くを語った後では、わずか数語で核心をまとめることができると思う。以下をモットーとして印刷し、各R&D部門に貼っておいてほしい。「試験や測定をどのように実施するか知ることが『失敗』を避ける第1歩である」。
参考文献
[1] EN 60601-1-2:2014: https://webstore.iec.ch/publication/2590,
fourth edition of the standard for EMConmedical electrical equipment
[2] http://electronicsbeliever.com/capacitor-as-esd-protection/,
how to dimension a capacitor for ESD protection
著者略歴
Claudio Stazzone 氏は通信工学を修めた後、2008年にEMC業界に入り、商用および車載機器・部品のEMC測定を始めた。2年後にはEMCのトラブルシューティングと問題解決に興味を持つようになり、あらゆる産業機械の「現場」測定を数百回、そしてイタリア全土で数十ヵ所にのぼる測定室の特性評価(NSA、SVSWR、SE)を実施した。数年間、Spiceベースのシミュレータを用いたEMCシミュレーションを学んで、予備測定の重要性を悟る。技術的な案件を世界中のエンジニアと共有する機会を作ることが非常に有用であると思うに至った。技術文書を書くことを非常に好み、それこそがEMCに関する自身の知識を深める方法と考えている。現在は、Eurofins Scientific GroupのEurofins Product Testing Italyで技術責任者として勤務。日常的に顧客とのEMC測定に立ち会い、ラボのEMC業務を技術的な観点から総合的に管理している。Notified BodyによるEMC指令およびRED指令にも関わっている。
連絡先はclaudiostazzone@gmail.com