4.役に立つ情報と裏技
このセクションでは、第4版によってデバイスが最終的に被るだろう「ダメージ」を最小限にするためにいくつかの提案をしたい。主にESDと新しい近接電磁界に注目する。早速、始めよう!
5.ESD は大きな問題
気中放電レベルは、ほぼ2倍である! 実は、ESD試験に合格する方法は2つある。第1の方法は静電気放電を避けることだが、これはあまり実用的ではない。というのも、湿度45%のレベルでは、ESD発生器の先端と金属面の間の距離がおよそ1cmでスパークが生じるからである(図1参照)。例えばプラスチックのケースと近くの金属パーツのように1cmの距離を取ることが不可能な場合には、第2の方法を選択する。つまり静電気放電を避けられないなら、安全で低インピーダンスの経路に静電気放電電流を流し、大きく安全な金属表面で消散させる。
表示に注意してほしい。表示周辺の金属フレームを常にアース(または筐体)に接続する。そしてデバイスがアース(または筐体)を備えていない場合は、大きな金属面に導電塗料を施す。この解決策さえ不可能なら、コンデンサを使用する(参考文献[2]参照)。これは、特にピンに対する放電に有効である。そして最後になったが、外部に露出しているネジが筐体を貫通しないようにすること。貫通すれば、静電気放電の電荷が蓄積され、ネジの先端から下にある金属部分に突然放電する。
スロットの共振周波数は次の式で求められることを覚えていてほしい。
ここで、cは光の速さで単位はkm/s、λは波長で単位はmである。規格によって必要な電磁界は、特に高い周波数(5~6GHz)では数センチのサイズのスロットを貫通できる!
図1.距離1cmで放電している様子
(その3へ続く)