RIGOL Technologies社はオシロスコープのUltraVision IIシリーズに新製品MSO5000のデジタル・オシロスコープシリーズを追加することを発表した。UltraVision II シリーズのアーキテクチャのコアはPhoenix のチップセットで、ASICのカスタム2種によりアナログフロントエンドおよびシグナルプロセッシング性能を持つ。このチップの周囲にはXilinx Zync-7000 SoC、Dual Core ARM-9 Processor、 Linux+Qt Operating Systemなど高性能のハードウェア設計がある。MSO5000シリーズは、ベンチ型オシロスコープにあらゆる価格/性能を提供する。周波数範囲70MHz ~ 350MHzでサンプルレートは8GSa/sec、波形捕捉レートは50 万wfms/sec、記録長(Record Length)は200M まで。同シリーズはシステム性能、信号解像度と、クラスに釣り合わない記憶容量(memory depth)を備えている。「Rigol 社が20周年を迎えた節目にMSO5000 のような製品を発売できることは非常に喜ばしい。我が社の革新へのこだわりは、Phoenix chipset はもちろん、この技術をいち早く顧客に届けることである」とRIGOL North America のGeneral ManagerであるMichael Rizzo 氏は話し「2013年がDS1000Zの顧客の価格性能に対する前提を変革し、価値の範囲で顧客の予想を再定義することに成功したように、今またMSO5000 は基本的な組み込み市場に同じような変革をもたらすだろう。顧客は1000ドルをはるかに下回る価格で今までにない性能と分析能力にアクセスできる」と付け加えた。顧客の課題を解決するには分析能力が必要だが、MSO5000シリーズには最新の分析ツールがある。7つのツールを1つにまとめた機能により1台で7種類の計測が可能。オシロスコープ、ロジック・アナライザ、プロトコル・アナライザ、スペクトラム・アナライザ、波形発生器、デジタル電圧計、カウンタ/総量記録装置の機能が全て1つのシステムに統合されている。さらにゾーントリガ、高度な検索、クラス(41)の精密な測定、マルチ高解像度カラー FFT、標準ヒストグラム、合格/不合格の分析によってMSO5000シリーズの強力なデバッグを実現している。
同シリーズは全てアップグレード可能である。エントリーレベルのモデルを購入すれば、ハードウェア要求が変更されると、ソフトウェアで使用可能なライセンス経由でアナログおよびデジタルチャンネル、分析オプション、アップグレード機器の帯域を追加できる。このシームレスなアップグレード性能により初期費用を安く抑え、投資リスクを軽減できる。
次世代ユーザインターフェイスを備えているので、機器とのアクセス方法は5種類もある。9インチのディスプレイにより応答が速くて直感的なタッチナビゲーションが可能。大きなディスプレイが必要なら、HDMIで外部ディスプレイを接続し、マウス制御もできる。また、タブレットやスマートフォン経由でネットワーク上の機器を制御できるよう、タッチブラウザ機能もサポートしている。
「素晴らしい性能、最新の分析能力、次世代ユーザインターフェイスを備え、最低価格がわずか909ドルというMSO5000は、間違いなく市場で最も強力で購入しやすいベンチ型オシロスコープだ。Tektronix社のDPO/MSO2000やKeysight製2000 Xシリーズと性能や機能、全体的な価値を比較すれば、我が社がデバッグや分析のスピードでいかに優れ、試験コストを削減できるか、わかってもらえると思う」とMichael Rizzo氏は話している。
同シリーズは70MHz ~ 350MHz、2個または4個のアナログチャンネルの6モデル構成。基本価格は2チャンネル70 MHzのユニット909ドルから、4チャンネル350MHzのユニット3999ドルまで。
詳細はRigol社のウェブへ。(2018/11/15)