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EUで製品を販売する際に必須の知識:電子製品に適用するCEマークとEMC関係のEU規格に対する簡単な手引き(その2)

2.意図的な使用に対する法的規制の枠組み
 適切な規格を見つけ出した後は、デバイスの意図された使用が選択したEMC規格と一致しているか、確認が必要となる。言い換えるとEMCラボは、デバイスが規格の適用範囲に該当し、その意図されている使用目的と一致していることを確認しなければならない事例を挙げてみよう。医療用デバイスの電源を製造することになり、その電源には特定の規格(製品規格)が適用されることがわかっている。その規格は一般的な電源を扱っているが、この電源は医療用のデバイス・メーカーに売りたいのである。そこで医療用デバイスのEMC規格を製品に適用しなければならない。そして、それゆえレベルおよび限度が電源の製品規格にあるものとは全く違う別の試験や測定を実施しなければならない。この例では、意図された用途が規格に大きな影響を及ぼした。EMCラボは常に用途を考慮しなければならない。

3.CEマークの規則
 システムを構成する複数のデバイスがあると仮定する。例えば電源、モータ・ドライバ、モータ、産業用の信号塔などである。これらの機器には、それぞれCEマークが付いている。該当システムには自動的にCEマークが付くと思いがちである…が、それは少し違う!いや、全く違う!
 システムには十分な測定を実施する必要があり、それによって初めて、試験と測定が全て合格した場合にメーカーが適合宣言を発行し、システムにCEマークを付けることができる。CEマークを付けるために、なぜシステムの合格が必要なのか?十中八九は、システムの異なる構成機器の全てがそれぞれ違う規格に基づくCEマークを受けていたことがわかるだろう。また、異なる構成機器を接続するために多くの種類のケーブルと接続の経路を定めなければならない。そのため、システム周囲の妨害を伝達する可能性のある変数と手段を追加して、各システム構成機器の「電磁特性」を変えることになる。
 さて、それではEUで広範囲に使われている主要な規格を見てみよう。主要な規格のみを扱うことにする。その前に欧州整合規格について話そう。それはいったい何なのか?その説明はEU のウェブにわかりやすく書かれている(下記の参考文献を参照していただきたい)。
 規格は認定された規格作成団体によって発行される。規格がEU OJ(European Community Official Journal:欧州連合官報)に掲載されると、それは「欧州整合規格(harmonized)」になる。欧州整合規格になるとすぐにEU各国は全て、そのままあるいは文書中の一部を変えることによって自国の官報に、その規格を加えることができる。次に、例えばイタリアではCEI、英国ではBSなど国によって違うが、記号を整合規格名に追加する。欧州整合規格は任意規格であり、使用は任意であることに注意する。それでは、規格リストを見てみよう!
(その3へ続く)
2019年1月 by Claudio Stazzone