表題「電気照明及び類似機器の無線妨害特性の限度値及び測定方法」の第9版が仮発行された。この国際規格の最終草案(FDIS:Final Draft International Standard) は正式発行前の最大6週間(2018年2月16日~3月30日)の投票期間中に販売される。FDISを買うと、正式版は自動的に送られてくる。
この規格は以下に示す機器からの無線周波数の妨害エミッションの放射と伝導に適用する:照明機器(3.3.16項参照)、マルチ機能機器で照明が主機能の場合の照明部分、UVおよびIRの放射機器で住宅と工業用でない機器、広告看板、装飾照明、緊急表示器など。一方、非対象の機器は、部品またはモジュール照明機器への組み込みを意図しユーザーが交換できないもの、ISM周波数帯で動作させる照明機器(滑走路、サービス施設、プラットホーム)、ビデオ看板、据え付け装置、照明機器が組み込まれていたとしても無線周波数範囲の電磁両立性要求事項が明らかな他のCISPR規格対象の機器などである。
この規格および他の規格が同時に対象となる多機能機器の場合、該当する項目や他の規格に関連した部分を個別に適用して適合させる必要がある。この規格の対象外の機器で照明が二次機能の場合は該
当する規格を適用し、この規格は適用しなくてよい。また、ITUが定めている意図的な送信機からの放射はスプリアスを含めて非対象である。この第9版の発行によって2013年発行の第8版は廃止される。この第9版での重要な技術的変更は以下の通りである。
a) 編集上の再構成による全面改訂
b) 商用電源およびバッテリー動作に対する適用範囲の制限は削除
c) 放射妨害波の限度値適用周波数範囲に300 MHz ~ 1 GHzを追加
d) 負荷端子限度値とCDNE(放射エミッションの代替)限度値を変更
e) 挿入損失要求事項とそれに関連したAnnex Aを削除
f) 基本的な3つのポート (有線ネットワーク、ローカル有線、筐体) を追加
g) 技術に依存しないアプローチの紹介
h) Annex B (CDNE)を適切な参照規格CISPR 16シリーズに差し替え
i) コニカル・ハウジングの金属孔に対する要求の変更
j) セルフ・バラスト(安定器内蔵型)ランプGU10用の新しい伝導妨害測定方法
k) (電圧限度値と測定方法に加えて) 電流プローブ測定方法さまざまなポートタイプの限度値を追加
l) (独立した補助装置の代わりとして)『モジュール』という用語の紹介、およびホスト(参照)システムを用いたモジュール測定の要求事項を規定
m) EUTの安定化時間の仕様を改訂
n) (1.6 m以上の)大きなEUT用に、3 mや4 mのループアンテナ・システム(LAS)に代わる距離3 mで60 cmのループアンテナ (CISPR 14-1の方法)を使う磁界測定方法追加
詳細はIECのウェブへ。(2018/02/16)
https://webstore.iec.ch/publication/62426?utm_source=Webstore+Just+Published&utm_campaign=a9b0041dc0-JUST+PUBLISHED+by+the+IEC+-+Edition++2018-01&utm_medium=email&utm_term=0_61d266ee9ea9b0041dc0-51596217