オンデマンドのマイクロ波部品やRF部品のサプライヤであるFairview Microwave社は、USBで制御する位相同期ループ(PLL:phase locked loop)周波数シンセサイザの新しいラインアップを発売した。PLLシンセサイザは、信号インテグリティが最重要となるRFやマイクロ波の通信システムにおいて、信号が通過していく部品を最適レベルで性能発揮させる優れた位相ノイズ特性によって卓越した周波数安定性と正確度を提供する。新しいPLLシンセサイザは、電子戦、信号発生器、卓上試験や測定、マイクロ波通信システムなどの用途に理想的である。同社の新PLL周波数シンセサイザモデル4機種は小型かつ頑丈、SMAコネクタ付き設計でパソコンのUSB2.0インターフェースをサポートし、DC電源とGUIコマンドを制御している。4機種の最低周波数は25 MHz、最高周波数は20 GHzと、機種の組み合わせで広い周波数範囲をカバーする。
同製品シリーズの出力は、内蔵の減衰器により0.5 dB刻み、および1 dB刻みのものがあり、最大減衰量は31 dBと51 dBで調整可能である。最大出力電力レベルは高く、標準値で+10 dBm ~ +19 dBmの範囲である。位相ノイズは、100 MHzオフセットで-108 dBc/Hz ~ -75 dBc/Hzと低く、位相ロック速度は標準値1 msecである。
同シリーズのシンセサイザは、50 MHzの内部周波数源およびオプションの供給ケーブルによる外部基準も特徴である。周波数分解能は、整数(初期設定)モード、またはステップサイズを1 MHzまで下げた分解能の端数モード(fractional mode)のどちらかを使って調整できる。モジュールは、RF電力遮断、位相ロックとロック解除、USB接続を確認するLED機能表示などに対応している。同機種はRoHSとReachに適合し、EAR99クラスである。総合的なユーザー・マニュアルとVISA※1 適合のソフトウェア・パッケージは、Fairview 社のウェブサイトからダウンロードできる。
「当社の新しいUSB制御のPLL周波数シンセサイザ4機種は、試験や測定用途で設計者に多くの理想的な機能を提供する。各モデルとも、ダウンロード可能なユーザーマニュアル、付属ケ-ブルやコマンド制御ソフトウェアも揃っていて即時出荷可能である」と、同社製品マネージャーのTim Galla氏は話している。同機種は最低発注数の制限なしで注文できる。
詳細はFairview社のウェブへ。(2017/10/30)
[※訳者注] 1.VISA:Virtual Instrument Software Architecture