シンガポールのToday Onlineが伝えたところによると「陸上交通庁(LTA:Land Transport Authority)とSMRT社は、市内を走る電車の環状線CCL(Circle Line)で起きた“断続的な通信障害” の発生源を特定することができなかった」という。この事象により列車の運行は数日間、遅延し、LTAの調査開始後も2週間、その状態が続いている。「8月29日、しつこい信号妨害により列車の緊急ブレーキが自動的に作動して環状線の運行遅延が生じ、これが5日間続いた。LTAとSMRT社は調査の一環として、前代未聞の措置ではあるが4ヵ所の駅で携帯の信号を一時的に止めた」とToday Onlineは報じた。今後、妨害信号の存在を検知するスペクトラム・アナライザを環状線のトンネル内に設置することでライン信号システムの復元性を強化する計画が進んでいる。「LTAとSMART社は、妨害信号の影響を最小化するため、列車に電磁波シールドなどを搭載する強化策も検討している」という。また9月21日の発表では「信号システムの周波数変更および/または信号妨害の際に冗長性を持たせるシステムへの変更の可能性も視野に入れている」と述べた。Downtown Lineなど新しい路線や、南北線NSL(North-South Line)、東西線EWL(East-West Line)など改善が進んでいる現路線の信号システムは、信号妨害時に冗長性を保つ新しい機能を既に備えているという。
詳細はToday Onlineのウェブへ。(2016/09/29)