半導体分野の世界的リーダーであるSTMicroelectronics(以後ST社)は、シャツのポケットや車のダッシュボード、オフィスの机、その他静電気的に危険な場所を同社の新しいオンライン・ソフトウェアツールESD-SIMの導入によって安全な環境にし、今日の高性能なデバイスを保護するのに役立っている。ST社によれば、ESD-SIMは回路保護と信号インテグリティの両方を評価できるので、ハードウェア製作前に同社カタログから適切なESD保護部品を選ぶのに役立つ。ESD-SIMは、ツール専門のTransim社がKeysight社のADS(Advanced Design System)で駆動するシミュレーションを使ってST社のために作ったものである。この製品によりADSの高速/高周波の業界標準SPICE※ シミュレーションエンジンを使うSTデバイスの性能評価が簡単かつ迅速になる。オンライン・ツールの評価出力は無料。ADSの作業領域が広がり、市販設計ソフトウェアの設計工程を活性化することができる。「革新的な無料ツールESD-SIMは、全てのエンジニアが基板を設計する方法を変革し、土壇場の変更からくる悩み事をなくしてくれる」と、Transim社の開発エンジニアリング・マネージャTorstenGoebner 氏は話す。同社によると「このツールは、用途がデジタル、アナログ、自動車、電源など何であれ、STのTVS(Transient VoltageSuppressor:過渡電圧抑制器)SmartSelectorを使用して適切な保護部品を選択する。そして伝送線パルス・シミュレーションやアイ・ダイアグラム、時間領域反射率測定、Sパラメータを使ってESDと信号インテグリティ・シミュレーションを実行し、USB 3.1、HDMI、DisplayPort(TM)、SATAなどの高速信号が適用可能な仕様を満足させるが、マウスを7回クリックするだけで、これを迅速かつ容易に実施できる。予備構成されたシミュレーション・セットアップと信号試験などが含まれているので、ユーザーが試験して関連規格適合を確認する必要は全くない。シミュレーションはカスタマイズも可能で、ユーザーは設計を身近なチームまたはESD-SIMコミュニティに保存および共有することができる。ESD-SIMは現在my.st.comでユーザー登録すれば、だれでも無料で利用できる。
詳細はSTMicroelectronics社のウェブへ。(2016/07/06)