キーサイト・テクノロジー合同会社は、2016年8月3日(水)から10日(水)まで、国立大学法人 東京工業大学向けに、マイクロ波技術に関する寄附講義「高周波計測工学特別講義」を実施する。
この寄附講義は同社が産学連携の一環として2005年から毎年実施しており、今年で13年目。東京工業大学、および他大学の学生、あわせて26人が受講する予定。8月3日から8月5日の講義は、遠隔会議システムも利用し、全国複数箇所への同時中継を行い36名が講義の一部を受講するという。
この講義では、東京工業大学の教員に加えて、当社の現役エンジニアが講師として指導にあたる。ワイヤレス通信の基礎、Sパラメータ、スミスチャートの読み方、変調信号、位相雑音など、マイクロ波に不可欠な基本知識や、最先端のXパラメータの概念について講義すると同時に、高周波シミュレーターを使いストリップラインアッテネータや高周波アンプを実際に作成する実習も実施する。学生4人につき1式のマイクロ波測定器(信号発生器、スペクトラム・アナライザ、ネットワーク・アナライザ)を用意し、作成した部品の測定や評価も行う。
アナログ技術は、携帯電話、無線LAN、高速道路の料金自動収受システム(ETC)など、日常生活においても幅広く使われている。これらの機器を開発するメーカーや高周波化合物半導体メーカーではアナログ技術者不足が問題視されているにもかかわらず、大学でもアナログ技術を指導できる環境が不足している。この寄附講義では東京工業大学からの要請を受け、同社からマイクロ波測定に精通した現役エンジニアを講師として派遣し、将来の日本のアナログ技術者の育成を図っている。