2016年2月、ESA(European Space Agency:欧州宇宙機関)の水星を周回する人工衛星が先月、オランダ・ノールトウェイクにあるESA のESTEC Test Centre のMaxwell試験室でEMC、放射エミッション・イミュニティ試験を受けた。
水星探査計画「BepiColombo」の人工衛星が試験室の中で奇妙な角度で置かれているように見えるとしたら、本当にそのとおり、つまり意図的ということである。「2つのタイプの両立性試験を実施している。まず、衛星を軌道上に打ち上げるAriane 5打ち上げロケットが発生する電界に、BepiColomboの受信機に何の妨害可能性もなく、電気的に耐えられるかどうか。次に、水星の軌道に到達してから、衛星の異なるサブシステム間に不適合のリスクがないかどうか。特に一番上にある3つのアンテナが地球と正確に通信できることを確認したい。衛星は地球の重力下で中利得アンテナを配備できるような配置になっている。一方、高利得アンテナの反射器は最悪のケースを考えた位置にあり、専用の器具で固定されている」とBepiColombo の組立・統合・試験マネージャーのMarco Gaido氏は話す。ESAの水星表面探査機(Mercury Planetary Orbiter:MPO)は日本の水星磁気圏探査機(Mercury Magnetospheric Orbiter:MMO)とともにESA建造の宇宙船Mercury Transfer Moduleに搭載されて打ち上げられる予定である。この3個のBepiColomboモジュール全体にもESTEC で同様の試験を実施する。
詳細情報は、Blackbirdのウェブサイトを参照。(2016/03/08)