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CAL-P:EMFセンサ機能検証のための初のポータブル汎用システム

 現在の電磁界(EMF)測定の状況では、現場で測定機器の適切な動作を迅速かつ直接的に確認できるのは、技術者にとって大きな利点となる。
 無線用途の増加、広帯域ネットワークの拡大、国際規格適合の必要性により、プローブ、選択されたアンテナ、個人用保護装置の性能評価に再現性あるシステムが不可欠である。
 CAL-Pは、このような場面にまさにうってつけである。MPB社が開発した、このポータブルな機能試験システムは、試験所や測定現場でもEMFセンサの予備検証を行うのに信頼性が高く再現性のある方法を提供するように設計されている。汎用性、モジュール型アーキテクチャ、外部機器なしで操作できる機能があるので、モニタリングに関わる技術者、EMC試験所、オペレータにとって革新的なツールとなる。

■ どこでも機能的にEMF検証
 EMF測定においては、定期的な試験所設備の校正が依然として必須のステップである。
 ただし、校正サイクルの間、専門家は以下を実施するために迅速な機能チェックを行う必要がある。

・測定キャンペーンの前後にプローブの動作を検証
・潜在的なドリフトや異常を特定
・進行中の作業を中断せずに予備チェックを実行

 ベンチトップ型の電磁界生成システムやシールドルームには、特に移動作業の場合、いつも利用可能とは限らない設備基盤が必要である。これにより、測定センサを即座にチェックできるポータブルで自律的なソリューションを設計するというアイデアが生まれた。

■ CAL-Pシステム構成
CAL-Pは主に2つの要素で構成されている。

・広い周波数範囲をカバーできる統合型RF ジェネレータ
・センサの型式に応じて校正された供試デバイス専用のシールド治具

 治具内部では、機能検証のみを目的として閉じ込められた電磁界が生成される。プローブは電界成分にさらされるが、その強度は選択された周波数とプローブの動作範囲の両方に依存する。
 モジュール構造で多様なサイズや形状の治具を使用できるため、システムは広帯域プローブや選択されたアンテナ、さらには曝露モニタリング用に設計されたウェアラブル・デバイスとも互換性がある。

■ 周波数範囲と一般的な互換性
 統合ジェネレータは25 MHz ~ 4 GHzで動作し、商業・産業・通信に関わるほとんどのEMF 測定用途をカバーするので、このシステムは大手メーカーの幅広いセンサとインターフェース対応できる。
 CAL-Pは、EMC試験所で一般的に使用されている機器を含む、さまざまなサプライヤの機器と互換性があるように設計されている。
 この「ベンダーに依存しない」アプローチは、技術者や試験所が用途に応じて異なるブランドのプローブを使用する異機種混在の運用環境で特に役立つ。
 1つのシステムで複数のメーカーのセンサを検証できると、付属品のコストが削減され、機器の管理が簡素化され、予備的な性能評価が標準化されて、大規模または多様な機器群を扱うユーザーにとって大きなメリットになる。

■ 動作原理
 機能検証中、システムは治具内に閉じ込められた電磁場を生成し、外部干渉のない再現性のある制御された環境を提供する。技術者はプローブを治具に挿入し、希望する周 波数を選択する。
 プローブの応答は予想される動作と比較され、以下の原因による逸脱を特定できる。

・電子ドリフト
・機械的な衝撃や損傷
・経年変化
・感度の変化

 CAL-Pで実行される機能検証は校正に代わるものではないが、現場作業の品質を確保するために不可欠な信頼性の高い指標測定が可能である。

■ 運用の自律性と統合インターフェース
 CAL-Pの重要な特徴の1つは、完全に自律的に動作できることである。このシステムには、次のように外部ハードウェアは必要がない。

・専用コンピュータ不要
・外部RFジェネレータ不要
・試験所の電源不要
・追加の制御ユニット不要

 ユーザーは3.5インチのタッチスクリーン・インターフェースを使って以下の操作を実行できる。

・周波数の選択
・テストパラメータの取り扱い
・システムの稼働状況のモニタ
・自動検証シーケンスの実行

 このセットアップは屋外環境や、実験机の構成が実用的ではない状況であっても使用をサポートする。

■ 携帯性と電源
 CAL-Pは重さわずか1.7kgで、持ち運びが簡単な設計である。交換可能な18650Aバッテリで駆動し、標準のUSB-Cポート経由で充電すると約2時間のアクティブ動作が可能である。
 こういった特徴により、次の用途に最適である。

・測定キャンペーン中の電磁界の検証
・工業施設のクイックチェック
・モバイルユニットのサポート
・検査活動と予備評価

 USB-Cおよび光ファイバー接続、さらにメスNタイプコネクタ経由のRF出力により、高い互換性と汎用性が確保されている。

■ 高出力バージョン
 高い電界強度が必要な用途には、最大150 V/mを生成できる治具が用意されている。
 設計はモジュール式のままなので、メインシステムを変更することなく、必要に応じて治具を交換することができる。

■ ソフトウェアと自動化
 システムには、次の機能を可能にする専用ソフトウェアが含まれている。
・試験シーケンスの自動化
・ユーザーが選択可能な周波数ポイントによる独立した治具特性評価
・データの保存とレポート生成

 追加のリソースなしで繰り返しの検証、データのアーカイブ、完全に文書化された試験レポートが必要となる試験所にとって、自動化は特に価値がある。

■ EMC/EMFセクターにおける用途
 CAL-Pは、次のような幅広い専門的な用途に適している。
・EMC試験前の機能チェック
・設置後またはメンテナンス後の現場検査
・損傷またはその疑いのあるプローブの予備評価
・長期測定キャンペーン中のサポート

 携帯性に優れているため現場で頻繁に作業するオペレータにとって便利であり、モジュール式なので試験所や企業は使用するセンサに応じて治具コレクションを徐々に拡張できる。
 EMI/EMC用途の複雑さが増し、規制が厳しくなるにつれ、EMF測定に使用されるセンサの動作妥当性を確保できるツールが不可欠になっている。
 CAL-Pは、機能検証のための実用的かつ携帯性のアプローチを導入し、次のようなユニークな組み合わせも提供できる。

・汎用的な互換性
・携帯性
・自律性
・モジュール性
・再現性
・信頼性

 認定校正の代替にはならないものの、技術者や研究者、EMC/EMFの専門家に日常業務に敏速かつ具体的なサポートを提供し、最終
的には測定プロセスの全体的な信頼性を向上させるシステムである。
 詳細は下記のWebへ。(2025/12/09)

● Interference Technology米国版:
https://interferencetechnology.com/cal-p-the-first-portable-universal-system-for-functional-verification-of-emf-sensors/
● CAL-Pのデーターシート(MPB社:
https://www.mpbelectronic.com/search?keywords=CAL-P