欧州標準化機構CENとCENELECは、欧州標準化システム(ESS)の強化と持続的な適応力確保を目的とした規則1025/2012改正に関する意見募集に対し、以下6つの戦略的優先事項を提示した。
1)標準化の迅速化を図りつつ、開放性・透明性・合意形成・包括性の価値を維持するため、機械可読標準(SMART)やオンライン標準開発(OSD)などのデジタル化に投資している。しかし、標準の欧州委員会による引用速度向上も不可欠である。
2)多様な標準化成果物の活用を推進し、法的遵守に最適な成果物の明確化を委員会に要請。専門家による迅速な開発と簡素な承認手続きを両立させた新たな成果物も開発中だ。
3)国際標準化での欧州の影響力強化を重視。ISOやIECへの積極的参加を通じて欧州の専門知識を反映し、ウィーン・フランクフルト協定の強化も求めている。
4)単一市場保護のため新立法枠組み(NLF)による法的役割の明確化を支持。標準化は技術仕様の提供に専念し、共通仕様の乱用を警戒する。
5)調和標準の無償公開を進めつつ、著作権と知的財産権の尊重によりESSの持続可能性を確保する必要性を強調。
6)迅速化とともに合意形成の質や包括性、信頼性を損なわず、国別代表モデルの維持が欧州標準化の強みであると指摘した。
CENとCENELECは、欧州委員会や関係者と連携し、未来志向で包括的かつ国際競争力のあるESS構築に貢献していく意向である。
詳しくはCEN/CENELECのWebへ(2025/07/22)
https://www.cencenelec.eu/news-events/news/2025/brief-news/2025-07-22-response-to-the-call-for-evidence-on-the-revision-of-regulation-1025-2012/