IEEE本部理事会は、IEEE東京支部による申請を承認し、TRONフォーラムが1989年に建設した「先駆的なTRONインテリジェントハウス(電脳住宅)」をIEEEマイルストーンに認定した。
IEEEの銘板贈呈式は2024年中に開催予定で、提案書から予想される銘版の内容は次のとおりである。
【先駆的なTRONインテリジェントハウス 1989年】
最初のTRONインテリジェントハウスは、1987年に提案された高度機能分散システム(HFDS: Highly Functionally Distributed System)のコンセプトに基づいていた。1989年に東京で建設され、約1,000台のネットワークコンピュータを使用してモノのインターネット(IoT)を実装したこの住宅は、1991年に、IoTという用語が作られる前から「ユビキタスコンピューティング」を提供した高度なヒューマン マシン インターフェイス(HMI)を備えていた。TRONの居住者からのフィードバックは、IoT環境での生活がどんなものであるかを実際に見せたので、HFDSの設計を成熟させるのに役立った。
•主な技術的成果の重要性、関係者、歴史的背景、人道的および社会的影響について
この住宅は1989年に東京で建てられた。333平方メートルのスペースに約1,000台のコンピュータと多くのセンサーとアクチュエータがあった。これは、今日のIoTの本質であるHFDSの概念を理解していた18の会員企業からなる「TRONインテリジェントハウス研究会」と呼ばれるグループが建設したものである。1980年代にTRONプロジェクトのリーダーで当時東大助教授であった坂村健氏が提案したHFDSは、今日のIoTビジョンを真に先取りするものだった。コンピュータはなるべく見えないよう設置し、人に優しい雰囲気とした。家に人が住むことで、コンピュータ制御の生活環境に関する貴重なフィードバックを得ることができた。このプロトタイプから、後に多くの市販住宅コンポーネントが開発され、日本だけでなく他の国々のスマートハウスの研究開発に影響を与えた。その後、TRONインテリジェントハウスプロジェクト(2004年に日本でv2、2009年に台北でv3)が続いた。2017年には日本でいわゆるIoTキャンパスビルが建設され、初代TRONインテリジェントハウスと、それに続くプロジェクトの知識を継承した最新のスマートハウス研究が進められている。
詳細は下記のウェブへ。(2024/06/25)
●マイルストーン申請内容(IEEE):
https://ieeemilestones.ethw.org/Milestone-Proposal:TRON_Intelligent_House
● TRON インテリジェントハウスの紹介:
http://monotsukuri.net/mirai98/tron/tron.htm