Master Bond社のMB600SCNは、ニッケルフィラーに銀をコーティングした水性ベースのケイ酸ナトリウム系である。このコーティング材料は、優れたEMI/RFIシールドが必要な用途向けに配合されている。導電性のMB600SCNは容易にコーティング貼り付けが簡単で、+700°F(約371℃)までの温度に耐える。
この製品は非常に優れたシールド効果およびコスト重視の用途での使用を目的としている。電磁干渉(EMI)および無線周波数干渉(RFI)は、電子機器において非常に重要な要素である。ラジオや電気製品などのさまざまな発生源から放射されるエネルギーは、プラスチック製の他の電子機器に干渉する可能性がある。この種の干渉からデバイスを保護するために、ハウジングには導電性コーティングが適用されることが多い。
シールド効果は、ほとんどの場合、減衰によって測定される。つまりソースの入射強度と、コーティングを通過した後の強度との差として定義される。実際の測定単位はデシベル(dB)である。このスケールは対数であり、10 dBの差はシールド効果が10倍であることを示していることに注意する(たとえば、40 dBは30 dBの10倍の効果になる)。一般に、10~30 dBのシールド効果はやや低いと考えられるが、多くの用途では有効である。シールド効果が、60~90 dBは高レベルであり、90~120 dBは並外れて高いレべルである。MB600SCNの試験方法は、IEEE 299-2006に基づいており、この試験ではアルミニウムを基準として室温で実施された。1~2ギガヘルツ(GHz)のほとんどの領域で、シールド効果は75のピークがあり、2 GHzで約 40 dBの非常に短い底値がある。2 GHzでは、ほぼ60 dBまで急激に増加し、その後4 GHzでは40 dBまで徐々に減少する。4~18 GHzの間では変動は比較的小さく、18 GHzまでのdBレベルは約45~50 dBである。使用温度範囲も非常に特殊で、0°F(約-18℃)~ +700°F(約371℃)の範囲である。シールド効果と耐熱性の組み合わせは非常に優れている。
優れた性能プロファイルに加えて、取り扱いも簡単で安全である。ブラシで塗りやすく、水ベースなので比較的毒性がない。適切な装置を使用すれば、塗布をスプレーで行うことも可能。スプレーした場合、シールド効果は前期の値よりさらに高くなる。MB600SCNは室温で24~48時間、80℃で1~2時間で硬化する。熱で硬化する場合は、材料の膨張を防ぐために15~30分かけて温度を上げていくことをお勧めする。MB600SCNは、強力なシールド効果とコストの問題の組み合わせが重要となる航空宇宙機器や電子機器の幅広い用途で使用できる。
● 製品の利点:
・水ベースの導電性コーティングは比較的毒性が弱い
・優れた耐熱性
・優れたシールド効果
・さまざまな基材によく接着する
・非常に効果的な防湿層
・ブラシで簡単に塗布可能
詳細はMaster Bond社のウェブへ。(2024/03/14)
https://www.masterbond.com/tds/mb600scn?utm_source=intertechti&utm_medium=email&utm_content=mb600scn&utm_campaign=itemmedia