November, 10, 2022, Oak Ridge--気候の変動は、大きく、頻繁な山火事につながるので、米国エネルギー省(DOE) オークリッジ国立研究所(ORNL)の研究者は、火事を防ぎ、電力網への損害を減らすためにセンサ、ドローン、マシンラーニングを使っている。エンジニアは、技術に磨きをかけ、電気アークと機器の故障、火事の広がりを遠隔センシングしようとしている。
必要性は緊要である。全米省庁合同火災センタのデータによると、記録された最大の山火事年は2004年から発生しており、記録上最も暑い年の多くと一致している。多くの山火事が電力線のスパークで起こることを考えると、電気事業は、危機の対処に大きな利害関係がある。また山火事は広範囲の停電の原因となり得る。
昨年の火災シーズン、DOEは、ORNLを含むいくつかの山火事プロジェクトに対象を絞って助成した。。「われわれは、この研究が加速されるように選択した。われわれは、気候の変化や他の要因で、山火事が、いかに重要で危険になったかを認識しているからである」とシニアDOE主席、戦略家、Stewart Cedresはコメントしている。同氏によると、送電線に対する山火事の被害は、遠くの州で電力低下や停電の原因となる。
「見通し線を超えて、ドローン搭載のセンサ技術でORNLが行っている仕事は、類例がなく、非常に重要である。これによってわれわれは、電力網を危機に陥れ、信頼性と回復力を低下させる問題に数歩先行することができるからである」(Cedres)。
同氏によると、DOEの関心は二重である。電力網が原因の火事を防ぐこと、火事から電力網を守ること。ORNLグリッド通信とセキュリティグループ長、Peter FuhrをリーダーとするORNLチームは、これら両方の問題に取り組んでいる。また、山火事と闘う主要機関、米国森林サービスのために火災検知システムに磨きをかけている。
防止
電力線あるいは電力エレクトロニクス装置付近に設置されたセンサは、加熱スパークにつながる電力流の変動を記録できる。ORNL研究者、Ali Ektiは、これらの電気アークイベントを素早く認識し、分類するアルゴリズムを開発している。これらのイベントは、電気が空気と2つの導体の間を飛び越えるときに起こる。
同氏は、公共事業と大学が提供する波形「シグネチャ」のライブラリを利用している。これらは、電圧のスパイク、アーク放電など、異常性によって起こる電流を示す。同氏のアルゴリズムは、これらの異常領域を見つける。次のステップでは、ソフトウエアプログラムを訓練して、類似のシグネチャを認識させ、放電が起こっている箇所を正確に指摘させる必要がある。アルゴリズムは、パワーエレクトロニクス機器内に導入されており、ユーティリティ指令センタに警報を発し、もしアクセスできるなら、スタッフが位置をチェックする。
これは、ドローンが、登場するところである。アーク放電は、到達が困難な険しい地域で起こることが多い。飛行機やヘリコプタは、小さなアーク放電を見つけられるほどに低空、接近飛行できない。また、飛ばすには、コストが遙かに高く、素早いスケジュールも困難である。
有望な代替は、ビデオを録画し、音、小さなアーク放電からの熱、RF放射を検出するセンサを搭載したドローンの利用である。この統合センサ機能は、検出された問題を確定し、障害を克服する。
ドローンは、火事が起こる前にメンテナンスの必要性を確定する。見通し線を超えたドローン運用でのORNLの経験により、長距離で送電線を検査できる。連邦航空局(Federal Aviation Administration)は、先頃、Fuhrのチームに、US内ドローン飛行の異例の承認を与えた。
ドローン搭載オーディオセンサは、アーク放電のパチパチノイズとドローンプロペラの音を区別する課題に直面している。しかし、Ektiは、数学を使って、背景ノイズからアーク放電のシグネチャを抽出する新技術を開発した。
消防の指揮
チームは、今夏、近くの農場でその技術のテストを行った。燃えるゲル燃料の産卵する小さなカンの中で抑制した野火に点火。ドローン搭載センサが、下の微小な炎を特定できる高さを知る実験を行った。
U.S. Forest Serviceの燃料スペシャリスト、Marva Willeyは、この能力は原野火災の消防では画期的なものになる、と見ている。
ドローン搭載センサは、主災から1マイル離れたところの燃えさしが原因で起こる新たな火災の発見に役立つ。煙が見えない木々の陰の下に熱を検知できるものは何もない。ドローンは、焼け野原に残っているホットスポットを見つけるためにも使える。現在は、消防士が、灰を篩い分けて行っている。
ORNL研究者は、Forest Service実験にセンサを提供している。超高高度からの熱検出に関与している。センサは、バルーンかソーラパワー、長期大気有寿命飛行物体のいずれかで行われる。落雷で発火する火事をチェックするためである。その技術は、今年後半にテストされる。Willeyによると、パイロットつきで火事を見つける飛行の必要性を減らし、限られたリソースを利用しながら、ヒューマンリスクを排除する。
Fuhrのチーム、ドローン搭載センサを使って電気火災を防ぐ多の方法を調べ始めた。スプライスあるいは変圧器が、過剰な熱を生成していないかどうかなど。
2021年、ダウンした送電線を原因とする山火事がテネシー州、Wears Valley近くで燃焼しているとき、Fuhrとチームは、灼熱の中の送電線と変圧器の熱をドローンを使ってモニタする許可を消防士から得ていた。Fuhrによると、送電線が生き残っていても、変圧器は動作限界を超える温度に晒されてダウンした。これは、設備を設置すべき場所の特定に役立つ。
(詳細は、https://www.ornl.gov)